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2003 Mt.Dhoman
雪の堂満岳と湖北の座禅草
鷹取 弘美
| 2月8日の山歩楽会の高見山登山で雪山を楽しく歩けた事が自信となっ | ||||||||
| て 堂満岳の誘いに心が動いた。5月にあんなにきれいに咲いていたし | ||||||||
| ゃくなげの花たち 今は深い雪の中でどんな姿で春を待っているのだろ | ||||||||
| うか。比良富士と会長が呼んでいた堂満岳が雪をまとい より富士らし | ||||||||
| くなっただろうか。 | ||||||||
| 2月19日 新大阪7:21発、バスでイン谷口下車(9:00)。 | ||||||||
| 比良管理事務所は閉まったままで 我々5人以外人影もなし。天気は変 | ||||||||
| わり易く曇ったり晴れたり突然暗くなって雪が舞ったり いかにも冬の | ||||||||
| 終わりの空模様。舗装林道から砂利道へ 細いゴロゴロ石の道へ。大山 | ||||||||
| 口で谷の向こうに1人男性の姿を見た。正面谷の谷川に沿って道は続く。 | ||||||||
| 小さな砂防ダムをいくつか過ぎて雪道が歩き難くなってきてアイゼン装 | ||||||||
| 着 出会いで浅瀬を渡ると登りのきつい青ガレコース 雪も多くなり踏 | ||||||||
| み跡のすぐ横に深い穴が開いていて誰かがはまったらしいと想像しなが | ||||||||
| ら慎重に足を運ぶ。 | ||||||||
| かなりな急登が続き息も切れ切れ 壁のような岩の突き立っている下で | ||||||||
| ひと息いれ また元気を取り戻して登れば間もなく金糞峠にたどり着いた。 | ||||||||
| 11時 おやつタイム少々とり左手の尾根の登りに入る。石楠花の木々が | ||||||||
| 半身雪に埋もれて枝だけが手を広げている。枝の先は 葉の芽かつぼみ | ||||||||
| の芽か固いニギニギをしていて分からない。枝の下をくぐったりまわっ | ||||||||
| たりしながら尾根を進むと眺めのすごく素晴らしいピークに着いた。頂 | ||||||||
| 上かと思ったがそこからまた向こうに本物の堂満岳が見えていた。山肌 | ||||||||
| が風化してがけ崩れのような状態で雪の急斜面がどーんと深い谷底まで | ||||||||
| 続いている横を通った。高い山に来たと実感した。また石楠花の枝の間 | ||||||||
| を通り抜け山頂到着! (11:45) | ||||||||
| 休日は登山者でにぎわうらしい山頂も今日はご夫婦らしい一組のみ。 | ||||||||
| 眼下に琵琶湖を見 比良の山々の連なりを心ゆくまで眺め 雪の上にシ | ||||||||
| ートを広げ昼食にした。寒さもほどほど。 | ||||||||
| 上田さんがガスで沸かせてくれたクリームスープが体の芯まであたため | ||||||||
| てくれた。 | ||||||||
| 12時20分下山開始 登りと同じコースを一気に下った。 | ||||||||
| 先輩から貰ったアイゼンがしっかりと雪道に食い込み足に快い。鉄のツ | ||||||||
| メが太く重い 2〜30年前のシロモノだが今日は快適だ。 | ||||||||
| 宮崎さんがすごく滑り 急降下の難所を上田さんに手を引いてもらった | ||||||||
| という。 | ||||||||
| それとも知らず 私と8本爪の加藤さんとはどんどん山を下り 雪の上 | ||||||||
| に大の字になって寝転んだり 深い雪の中に足の付け根まで踏み込んだ | ||||||||
| りして 子供に返ってはしゃぎながら 山頂で会った二人組と前になり | ||||||||
| 後になりして降りて来た。 | ||||||||
| 山裾ではネコヤナギの花が春を知らせるように光っていた。 | ||||||||
| イン谷口14:20到着 往復5時間20分はすごいと崎田さんも感嘆する。 | ||||||||

(堂満岳頂上 1057m)
| 比良駅まで歩いてJRで今津へ。 ザゼンソウの群生地があると言う | ||||||||
| 弘川町宮西までバスに乗り住宅地の中を歩いて7分ほどの所に目指す | ||||||||
| 湿地があった。 | ||||||||
| 北側に人工河川の今津川があり地下水位が高く また周囲は孟宗竹とハ | ||||||||
| ンノキの藪に囲まれ少し薄暗い湿地には 数センチの水の上にたけのこ | ||||||||
| がそこここで頭をだしているように見える。よく見ると大小の赤紫のザ | ||||||||
| ゼンソウの花だった。 | ||||||||
| 座禅をしている達磨大師に見立てて名付けられた花と言う。なぜか2つ | ||||||||
| 並んでいるのが多い。中に設けられた木道から暮れ始めた湿地を見渡す。 | ||||||||
| 沢山の座禅草が澄んだ水面に無の境地をさまよっている様な静寂が流れ | ||||||||
| て 私も禅の世界にふと引き込まれるような気持になった。 | ||||||||
| 帰りの湖西線から比良の山々が見えた。雲が多く僅かに山際が夕焼けて | ||||||||
| いた。 | ||||||||
| 中央の富士の形の堂満岳に私はさよならを言った。 | ||||||||
| 心にしみるすばらしい私の“比良暮雪”だった。 | ||||||||

(座禅草 今津町弘川)