2004/8/21
芦生ノ森 林間を歩く
北摂分隊
京都の北、滋賀県福井県境にある芦生の森を歩いた。新緑と初冬は特に眺めが良いと云
うが夏の林間も素晴らしい景色だった。
鯖街道の梅ノ木から朽木村の生杉に入り、登山口にある広場に駐車した。既に5、6台が
駐車している。中山・上田さんと一緒に三国峠山頂に向かって出発する。最初は急坂だが
30分位で三国峠の標識がある山頂(776m)に着く。
360度が同じ程度の山並みで、東方には
薄く琵琶湖が見える。登山した人が木に掛けた数枚の標識、針金をはずしにかかる、大き
な景色には不釣合いだった。
(三国峠山頂)
ここから枕谷を下り芦生の森に入る、下がるに従い水が細い流れになり、やがて一メー
トル程の幅になり川らしくなる。めだか(?)みたいな小魚も見える。ここが由良川源流の
”川元”の一つなのだ。この森は京都大学の演習林でもあり、所々に観察用の囲いがある。
一時間ほどで中山神社と云う杉の林に囲まれた小さな社に着いた。安全を願って手を合
わせ、橋を渡って長治谷作業所に向かう。キャンプ用のテントが数張りあるが、電気も何
も無い処なので本当に自然の夜が楽しめそうだ。
今日は中山神社を起点に上谷と下谷をループする予定で、二つの谷の合流地点から下谷
の林道をケヤキ坂に向かう。途中で大木を見つけ谷に下りる、大きなカツラの木でプロフ
ィールの立札がある。高さが37.5メートルと云う見たこともない大木だった。
坂の下で正午になり、谷底を眺めて昼食を摂る。ここから先の林道が予定よりも時間を
要することなど思いも及ばなかった。 地図を見て林道から尾根伝いにモンドリ谷へ下り、
上谷へ繋がるルートを確認した。(2000年版 山と高原地図)
(カツラの大木)
腹ごしらえを終えてケヤキ坂の分岐点に立った、北に向かう幅の広い林道を歩き始めた。
30分ほど経っても谷へ下りる標識や径が見つからない、七曲を経て尾根に上がってみる。
尾根筋に出会い研究用の林へ着いた、しかし谷へ下る踏み跡は研究用のロープがあるだけ
でモンドリ谷に下る保証は感じられない。時間や安全を天秤に掛けて元の林道へ戻る。
幅のある林道を杉尾坂に向かって歩く。反対側から車が来たが、相手も我々を見て驚い
た様子だ、この道を歩く人など予想もしてなかった顔つきだ。 何度も何度も七曲を経て、
大きな杉の木が見えるようになる。杉尾峠も近いと思い尾根に向かう径を一気に上がるが、
そこには数本の大木を建築用のパイプの足場が囲っている。ここも研究用の場所だった。
その先に漸く杉尾峠に向かう標識が立っていた、ケヤキ坂からロス時間も含め二時間程
歩いたことになった。 しかし北の日本海側も西側も全て山山の眺望で、送電線も民家も
見当たらない。自然のままの景色に満足し、オリエンテーリングの不足を感じた。杉尾峠
近くの展望尾根から小浜方面の日本海を望み、上谷を目指して下る。
(杉尾峠下)
このコースは苔むす大木が随所に立ち、ゆるやかな流れの谷筋を気持ち良く歩ける処だ。
特に栃の大木が多く、盛りを過ぎて落ちた実が少しあった。湿原のような野田畑谷を通り
中山神社横の丸木橋に着いた。ここから枕谷を少し上り、地蔵峠に出て駐車場に戻った。
約7時間歩いたことになるが、草も土砂崩れもない林道のお蔭で少ない汗で一周できた。
本来が演習林なのでトレッキング等の標識などは少なく、尾根ルートは確認出来なかった。
夏の林間にある苔むした大樹、緑したたる谷筋は大自然の魅力にあふれていた。(崎田記)
(最新の地図ではケヤキ峠から杉尾峠までのこの林道ルートは繋がっているが、2万5千
分の1地図では途中までしかルートの記載がない)
*ポイント間の所要時間(am9:20〜pm4:40、10分以内の休憩含、昼食30分)
登山口駐車場(30)三国峠山頂(60)枕谷−中山神社(10)中山(60)下谷・ケヤキ坂下(昼食)
(10)ケヤキ坂分岐(120)林道杉尾坂下(15)杉尾峠(60)上谷・中山神社(45)地蔵峠−駐車場
.....計6時間50分