よしの ・ ひゃく かい だけ

吉野・百 貝 岳

2008/1/19                                                           崎田信義

 大阪・阿部野橋駅から近鉄南大阪線・吉野線で終点の吉野駅
 百貝岳863m (参考地図:昭文社発行2007「大峰山脈」)

 駅→如意輪寺→水分神社→金峯神社→西行庵分岐→山頂→鳳閣寺→分岐→蔵王堂→駅(約22km)
 近鉄吉野駅9:30発(40分)如意輪寺(80)金峯神社・40分の昼食(45)百貝岳(35)理源大師廟塔(15)
  
鳳閣寺(35)西行庵分岐(100)金峯山寺(10)ロープウェイ吉野山駅16:10着

 

 奈良・平安の昔に栄え、後醍醐天皇が南朝を置いた吉野山を歩いた。 桜だけではなく
大峰奥駈け道の入り口でもある。中千本には修験本宗の総本山になる金峯山寺蔵王堂
があり、奥千本にはひっそりと金峯神社がある。
 その近くには西行庵もあり、山径を西に進むと百貝岳が聳える。 山腹には理源大師の
石の廟塔があり、鳳閣寺の屋根がそり建っている。
 駅から金峯神社の間は高低差540mの舗装道で、山靴では歩き疲れる道のりだった。
しかし冬の吉野は桜見物の喧騒もなく、径はパウダー状の雪が落ち葉を覆い幽玄な世界
が広がっていた。
   
 
<吉野山>


 二年前桜の写真を撮りに来て以来の駅に降りた。近くでは吉野杉の樹皮を剥ぎ、ピカ
ピカの柱に仕立てる作業中だ。団地横の道に入り、如意輪寺を経て上千本で桜見物の
メインルートに合流する予定だ。
 寺の境内を上がり、観光車道を横切ると山肌に細い径がつづく。斜面に桜の古木が立
ち、枯草が根元を覆う。 吉野宮滝への分岐を右に、細い分岐は吉野水分神社・青根ケ
峰方面に進む。葉っぱがないので、見通しもよく上千本で主要道に出合う。

 この時季は苔むした桜の木々が寂しくみえる。百年の計か桜の幼木もあるが、上から
の光景には四季の移ろいが感じられる。
 奥千本への道を上るとシーズンにはバスの終点となる四辻に至る。更に急な坂を上が
り金峯神社に着く。休憩所や”義経の隠塔”がある。11:30昼食タイムとし、持参のガス
コンロで暖をとり、温かいコーヒーも飲む。

    

如意輪寺

吉野水分神社

分岐標(鳳閣寺へ辿る)

分岐板(山頂〜鳳閣寺を回って戻る)

    

<百貝岳>


  いよいよ目標の山頂へ踏み出す。奥駈けへの分岐は西行庵方向に進む。漸く舗装道
もなくなり、足裏のクッションも軽くなる。 直に鳳閣寺4キロの分岐標があり、右に進む。
地図ではその先に山頂への分岐があり、右回りでここへ戻って来る予定だ。

 杉の木立を下ると鞍部に出る、少し登ると山頂への分岐板が現れ、数日前の雪で覆わ
れた径を登る。20分ほどで山頂へ到達、小さな祠が建っているが、見通しは悪い。
 小休止をして鳳閣寺を目指す。木々の間から、遥かに高見山の鋭角が眺望できた。近
くの大峰山系は銀嶺が連なり、雄大な冬景色に歓声があがる。

 更に下ると石の廟塔に出合う。寺を建立した理源大師を祭っているのか、千年の時空
を超えてここに在ることの方が重い。やや方向が変り、寺の裏に進み出た、立派な屋根
の本堂が印象的だ。冬場は参拝者も少ないのだろう、社務所も閉鎖中だった。
 寺から北に進み、元来た分岐を目指す。初めて二人組に出合ったが、吉野から歩いて
来たことに驚いていた。

 杉の木立からは金剛・葛城山が眺望でき、やがて山頂への分岐、西行庵への分岐に
戻った。青根ケ峰は次に登ることにし、舗装道路を駅方面へ進む。
 奥、上、中、下千本の桜は三万本とも言われ、春を待つ街並みを下る。4時に蔵王堂
に着く、酒瓶などが運び込まれて節分会の準備が始まっていた。

     

百貝岳山頂(国土地理院地図は863m)

山頂の祠

石の廟塔

鳳閣寺

sunpola sunpola sunpola sunpola 総合目次頁へ戻る sunpola sunpola sunpola sunpola