ひゃくぜんもりやま・はてなしとうげ

百前森山・果無峠

2011/3/27                                                       4人パーティー(崎田・記)

 十津川村(前泊)→本宮町・道の駅・奥熊野古道ほんぐう(駐車)→萩・バス停横(徒歩10分)
 百前森山 783m、 ブナの平 1121m、 石地力山 1139m、 果無山 1072m

 萩・登山口→P606→百前森山→中下番分岐→ブナの平→石地力山→果無峠→八木尾→道の駅
 萩・登山口8:50発(110分)百前森山(80)昼食30分〜中下番分岐(30)ブナの平(30)石地力山(110)〜
        果無峠(30)八木尾(60)道の駅 17:40着 
Σ8時間50分、約15Km

 

百前森山(三里富士)、熊野川などが俯瞰できるブナの平

   
       果無(はてなし)越えの呼称を知ったのは十年位前だが、牧水の歌を連想した。
      ”幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく” だ。 彼はむしろ
      旅と酒を果てしなく楽しみたいと詠んだんだろうと、俗っぽく解釈している。

       十津川村の南奥駈峰に登り、隣りの百前森山から果無越えのルートを歩く事
      にした。本宮町から里山に入り、山頂を過ごして果無山脈に上がり、果無峠から
      熊野古道・小辺路を下る径には観音石像が並んでいた。 徒で熊野に詣でる事
      で、神の加護が得られると信じた往時の庶民の精神は立派だ。
 
   

 

<百前森山>

 国道の際にある小さなコンクリートの階段が山脈に登る入口だった。昔の路は段々と細
くなり見過ごしてしまうほどだ。 植林帯を過ぎると、急峻なトラバースになり、蟻地獄みた
いなザレ場に出合う。 少し平坦になるが、直ぐに身体を倒して恐る恐る進む。 数箇所の
危険地帯は帰りに見上げると頑丈な金網が張ってあった。

 やがて気持ちよい広々とした林に入る。県の緑公社が手入れしてるそうだ。 高度300m
付近で急登になり、200mほど上がる。 南斜面に面していて、落ち葉も径を塞ぐほどでは
なく、迷うこともない。
 しかし踏み跡程度の径になり、高度を確かめる。高度650m付近からは再度急登、更に
小さな岩尾根が立ちはだかり、痩せ尾根になる。百前森山とブナの平との分岐板に遭う、
巻き路もあるのかと思いつつ、山頂を目指して木の根っ子や岩を伝って上がる。

 ほどなく平らな尾根になり、森が開けた山頂に届いた。予想以上の広場でしばし休憩と
なる。昼食はもっと日当たりの良い場所でと、前進する。石楠花の大木が続き、根っ子が
壁になる径もある。西側が落ち込んだ落ち葉の径で胃袋を満たした。

 

熊野萩・バス停傍の民家の横が登山口

P395の巻き径から三里橋と工事中の橋を俯瞰

P606付近の標から百前森山へと急な尾根を登る

切り開かれた百前森山・三角点

 

<ブナの平>

 高度900m付近のアップダウンからは山脈の尾根も見え隠れし、樹林帯にはオ−レンの
小花も咲いている。落ち葉の細い急坂を上がり、果無山脈の分岐点に届いた。麓からは
ほぼ四時間が過ぎ、予想以上の長い登りとなる。

 右に進んでブナの平に着く、眼下に百前森山の容姿が俯瞰できる。三里村の時代には
「三里富士」とも呼ばれたそうだ。遥かに熊野本宮大社の旧社地の大鳥居までが見える。
ここから山脈を東へなだらかな路を進む。 大きな岩峰に出て、石地力山と思い写真など
撮る。ただ少し先に三角点の山頂があり、思い違いに皆なで苦笑する。

 ブナの大木や若いシャラの木が林立し、千メートル級の尾根が続く。 やがて小さなピー
クに出合うと、果無山(1114m)の標がある。その先の坂を下ると果無峠に出た。

 

中下番の分岐を右に進んで尾根を登る

ブナの平への分岐点(果無山脈)

ブナの平 1121m

ブナの森

ヒメシャラやブナ林

石地力傍の岩峰から西に龍神村方面の眺望

 

石地力山 1139.8m

果無山 1072m

 

<果無峠・小辺路>

 熊野古道は2004年、道の世界遺産に登録された。都から熊野三山に辿る路は大中小の
辺路と紀伊、伊勢、大峰などの路がある。 高野山からの最短路が小辺路で、十津川村の
蕨尾から本宮町八木尾までは果無越えと言われ、33の石像が並ぶ。

 峠には17番目の観音石像が並び人の往来を偲ばせる。1050m付近から一気に1000m程、
八木尾に下る径は難路だったろう。 良く踏み込まれた路は難所もなく、石像を順に追いな
がら国道に下りる事ができた。
 最後の一番目の石像は小辺路から離れた場所にあり、探し求めて時間をとった。 熊野へ
の途中で行き倒れや病で逝った人を弔う石碑、信心の薄い現代は観光資源にもなっている。

 

果無峠(熊野古道・小辺路)

西国33ケ所観音石像が立つ果無越え(峠は第17番)

第七番観音石像

第一番観音石像

 ←八木尾バス停横に下る

 (第一番の石像は離れた公民館の庭に移転)

 

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