だいせつざん・あさひだけ

大雪山・旭岳

2010/8/26                                                       3人パーティー(崎田・記)

 旭川市→美瑛町→東川町→忠別ダム→旭岳温泉
 旭岳 2290m、六合目 1665m

 山麓駅→天女ケ原湿原→尾根筋分岐→六合目・展望台→夫婦池→姿見駅→分岐→山麓駅

 旭岳石室(避難小屋)
 8:00発(30分)天女ケ原湿原(100)尾根分岐(15)六合目(80)姿見駅・昼食45分(110)山麓駅14:20着 

 

   
  大雪山系の主峰旭岳を踏破すべく麓の旭岳温泉に向かった。前々日の豪雨で隣りの天人峡
 温泉は土砂災害を被り、お客がヘリで救出される事態だった。 旭岳温泉も停電になり漸く復旧
 したばかりだった。しかし頼みのロープウェイが休止、徒で山腹を往復する事にした。

  六合目までは上ったが、厚い雲に隠れた山頂は断念し、次の参考にと噴気の上がるお釜や
 池の周りを散策した。 ときおり雲のすそが少し上がり期待を募らせるものの、一時間経っても
 頂上は姿を見せずその大きさに故に退散することにした。
 
  歩いて登るルートには”天女ケ原湿原”があり、木道も敷かれている。リンドウやウメバチソウ
 など等が咲き誇り、上空を箱ばれるよりも多くさんの草木を観れた。 想定外の災害もあったが、
 思わぬ恵みにも出遭い帳尻を合わせてもらった。
 
 

早朝の遠望 (左端はロープウェイ姿見駅;旭岳温泉から)

 

<旭岳温泉まで>

 積丹半島の付根にある余市はソーラン節発祥の地、ローソク岩やニシン御殿址等の見所
が沢山ある。 後方羊蹄山は雨模様で止めにして、ニセコから半島を巡り、余市町のニッカ
ウィスキー工場を見学した。日本で初めて本格ウィスキーを造りだした地で、英国スコットラ
ンドで製法を会得した竹鶴政孝が、環境が似ているこの地に1934年建設したそうだ。 今も
蒸留してるが、夏は高温で休止してるとか、試飲も出来るがシングルモルト瓶を購入した。

 翌日は小樽の運河跡や昔の銀行街、裕次郎記念館にも立ち寄り、高速路に乗り一路旭川
へと北上する。北海道の広々した畑、緩やかな山並、澄んだ空はどれでも絵になる光景だ。

 旭川鷹栖ICで降りて美瑛町へと進む、丘一面に花をあしらいスケールの大きい風景を醸し
ている町だ。 ○○の木や○○の丘などと、お花畑を借景にした観光地で全国に知れ渡った。
駅前も整然と家が並び、観光案内所で見所を教えてもらい、広い町内を巡った。 ラベンダー
の花は終り、葉鶏頭やサルビアなどの錦絵を観ることができた。草地や丘陵を観光地に転換
した企画・運営は素晴らしい。

 山間の道を進むと天人峡温泉との分岐に通行止めの標、橋のたもとは何やら人だかりで
異様な雰囲気だ。忠別川の濁流を注視している人や電話連絡をしてる人など、宿に着いて
漸く土砂災害が起きた事を知る。 電気も今日から通じたが、ロープウェイは停止だそうだ。

 

ニッカウイスキー余市蒸留所

四季彩の丘・美瑛町

四季彩の丘・美瑛町

セブンスターの木・美瑛町

 

<湿原>

 翌日の十勝岳登山と逆にする事も考慮したが、ロープウェイの復旧は二、三日かかるそ
うだ。土砂災害で電線がやられ送電が不足し、電力会社の発電車や石油ローリーが電気
を臨時に供給していた。運転に必要な電力が得られないので停止している。

 ロープウェイ10分で五合目まで上る予定だったが、下路を歩くことにして出発する。背の
高い笹の間を抜けると木道が敷かれ、草叢にはリンドウなどの花が見られる。予想もしな
かった光景に感嘆する。 天女ケ原湿原という所で、苔や針葉樹などに混じり高嶺の花も
沢山ある。

 

天女ケ原湿原

ウメバチソウ

タカネトウウチソウ

湿原の木道

ミヤマリンドウ

エゾオヤマリンドウ

 

<六合目>

 二合目を過ぎて岩路になり、四合目辺りからは広い路になった。 尾根に出ると大きな旭岳
の中腹に届いた。白い噴煙や大きな崩落個所が目前に広がり、裾野の広がりを一望できた。
 ロープウェイの姿見駅が五合目になるが、休止中なので静かだ。山頂方面に上がると避難
小屋があり、遭難碑も建っている。

 この場所から山頂までは往復4時間程度、しかし厚い雲で覆われた山頂は見えず、付近を
散策して下山することにする。 噴気の上がる地球の穴があり、時々唸りをあげる。 崩落の
ガレ場や小さな姿見池、夫婦池などが点在している。このような環境下でも無数の蜻蛉が飛
んでいる。
 熊の目撃情報がある裾合平、その分岐点から駅に戻り、ベンチで昼食を摂る。 依然として
七合目から上はガスの中、山頂は一度も顔を見せてくれない。後ろ髪を引かれる思いで同じ
路を下山した。

 

尾根筋の分岐 (五合目)

分厚い雲の裾と噴気の山腹 (石室も見える)

姿見ノ池と地獄谷 (六合目)

遭難碑と鐘 (六合目)

噴気孔 (地獄谷)

エゾオヤマリンドウ (裾合平方面分岐)

 

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