おくだいにちだけ

奥大日岳

2016/8/6〜8                                       12人パーティー(崎田・記)

 大阪始発JR特急・金沢〜北陸新幹線・富山〜電鉄富山・立山〜ケーブル・美女平〜バス・室堂
 トップピーク 2611m、奥大日岳 2606m、大日岳P 2501m

 雷鳥荘(標高2370m、室堂に他か数箇所)、大日小屋(2440m)、大日平山荘(1760m)

 (経路) 室堂ターミナル→雷鳥荘/泊→新室堂乗越→室堂乗越→カガミ谷乗越→奥大日岳→
 ザレ場→七福園→大日小屋/大日岳往復/泊→水場→大日平山荘→牛ノ首→登山道入口

   参考地図 こちら  行程約13時間、14Km 高低差1640m

@ 室堂ターミナル(15分)ミクリガ池(15)雷鳥荘/泊
A 7:0 発 雷鳥荘(60)室堂乗越(150)奥大日岳(80)Col 2380昼食30分(40)七福園(30)大日小屋13:30
      
大日岳往復50分/泊
B 6:0 発 小屋-水場-(150)大日平山荘・休憩20分(70)牛ノ首(30)猿が馬場(60)登山口 11:30

 

奥大日岳と剱岳 (大日小屋からの眺望 ’16/8/7)


              
         富山県内にある北アルプスは立山、剱岳、薬師岳が有名だが、立山の西にある大日連峰
         を縦走する。奥大日岳は二百名山にも選定され、剱岳と同時代(奈良時代?)の錫杖が見
         つかってるそうだ。奥大日、中大日、大日岳の大日三山は室堂から一日で巡る事ができる。

         立山や剱は人気も高いが、三山は危険個所も少なく、より静かな山歩きができた。雷鳥平
         から尾根に上がると緑の山肌に山頂までのルートが視認でき、取り付きも容易だ。 しかし
         樹林帯は無いので、夏の陽射しからは逃げようがない。約3時間で山頂に届き、立山連峰
         と岩峰の剱岳を目の当りに望むことができた。

         大きな鞍部で涼を取り、中大日岳をクリアーすると大日小屋に着いた。ここからは剱岳の
         ピラミダルな岳稜と奥大日岳の裾野が重なり、絶景に溜め息が出た。 暁の陽も神々しく
         剱の肩からはダイヤモンドの如くに光が差し込んだ。

         最終日は1390mの高低差を6時間近くかけて下る。 笹や潅木の大日平を過すと、牛ノ首
         と云う地点から難路が始り、滝の舗道まで激しい下りだった。 称名滝は四段からなり350m
         の落差があるとか、水しぶきを浴び、三日間晴天の下無事に踏破した。

 

ハイランドの異次元空間

室堂から見る立山連峰・雄山、大汝山、富士の折立 /rollover 夕陽残照  (16/8/7)

 

<室堂へ>

 
 2016夏山は北アルプス大日連峰へ遠征する。今年から山の日も施行となり
混雑も予想、4月には小屋の予約を済ませた。 JR特急、新幹線、富山地鉄、
ケーブルカー、バスと5本も乗り継いで室堂に着いた。(2450m) 立山駅では
鉛色の空、天候を案じたが、美女平の先には天空の光景が展開した。 登山
届けを記入、注意事項の話しでは山頂付近でクマ目撃情報とのこと..!?

 ターミナルは立山黒部アルペンルートを往来する人も多く街中みたいだ。 外
に出ると立山連峰、白い山肌と緑の裾がまぶしく感じられる。雄山の上にある
社も視認できる距離だ。 宿舎の雷鳥荘まで下り、二部屋に投宿する。裏手に
は地獄谷があり、硫黄の臭いもするが、早速に温泉に浸かる。山小屋とは思え
ぬメニュー、山歩き前にカンパ〜イ!

 

北陸新幹線に乗る(金沢−富山間)

富山地鉄電車(S37年製)

大日連峰

雷鳥平のテント場(後方に別山)

室堂・ミクリガ池から真砂岳〜別山の後方に剱岳西の早月尾根 (16/8/7)

 

 

<山頂へ>

 
 翌朝は7時に出発、行く手の緑の尾根に細く径が見える。稜線の先には一段
と高い山頂も見える。 雷鳥平の橋の前には”剣山荘は予約なしだと泊れない”
との標がある。人気ルートだが、登頂は体力的に無理だ。
 山径に取り付き、新室堂乗越への上りが始る。途中の茂みにライチョウ親子、
母鳥は砂浴び中、2m近くで激写、親しみのある小さな目が印象的だった。

 陽射しが強くなり、首から汗がにじむ。 段々と標高が上がり、稜線と分かれ
て石ころ径が続く。 尾根を巻くように上り、再度尾根筋に出会う。 少し戻ると
最高点P2611へ行ける。 少し進んで奥大日岳の頂へ着いた。(10:30)
 昼食には早いので先に下って摂る事にするも、岩壁の鎖やハシゴが連続す
る難所だ。山頂から約300mほど下り、涼風が流れる鞍部に着いて昼食とする。

雷鳥の親子

P2611mの先に奥大日岳/ rollover 室堂乗越から地獄谷・室堂・浄土山方面

奥大日岳・三角点2606mが傾いてる (HSさん提供)

 

<大日小屋へ>

 
 日帰りの山よりも重いザック、疲労感も覚える。 行く手は大岩が突き出した上
り、崖下の細い径をクリアーして、岩壁を巻いて下りになる。 見上げる岩が仏像
にも見え、誰かがライチョウを見つける。 岩の上をヒョイヒョイ、お花畑も広がる
七福園と云う処だった。(13:00)
 目前の中大日岳に着いて一服する。前方の大日岳が近くなり、小屋の赤い屋根
が目に入った。そして何組かのパーティーと”ランプの小屋”に投宿する。(13:30)
 夕食まで時間もたっぷり、空身で大日岳へのピストンに出かける。 平らな山頂
に三角点と祠、北東には劒岳が悠然と座る。雲が切れる迄待って写真に納まる。

 小屋の前から眺める劒岳は2999mのトップと岩陵、シンメトリックな姿で、雪渓も
アクセントを付けて皆が感嘆する。 手前に見える奥大日岳は緑の山裾を雲に隠し
絵にも描けないほどの絶景だ。 日が沈むまで山の雄姿に酔いしれた。

 

 

 

七福園の背景は立山

大日小屋

 

小屋のランプと剱岳

剱岳南壁 /rollover ランプの小屋から剱岳

暁の剱岳

夕暮の剱岳 pm18:05/rollover ダイヤモンド剱 am5:13

 

 

<下山>

 
 最終日は称名滝そばの登山口まで1390mの下りになる。朝の山を写す人達
で小屋の前は賑わい、雪が無い代りに大き目の”ダイヤモンド劒”が見れた。
 小屋の裏手からは直ぐに岩径の下りが始る。 雨天なら川にもなりそうで、歩
きにくい。50分ほど下って水場に出会う。小屋もこの付近の沢から水を汲み揚
げてる由、眼下には緑の草原が広がり小さな屋根も見えるようになる。やがて
岩径が終り、木道が続き、出発して2時間余、漸く大日平山荘に着いた。(8:30)

 称名川を挟んで南に弥陀ヶ原があり、この一帯は大日平と言うそうだ。 笹や
潅木の草原は広く、ラムサール条約にも指定、自然環境を維持する為に木道
の補修も行われていた。
 草原が終り、”牛ノ首”と言う下り坂のポイントに着く。(10:00) ゴールの登山
口迄は高低差500m、気持ちも余裕を感じた。しかし痩せ尾根や岩壁を削った
階段の径が現れ、一気に緊張状態になる。

 階段状の径を下り、ジグザグ径を進む同じような行程が続く。途中にある休憩
ポイント・猿が馬場からはチラリと滝も見える。 小休止を取り、更に難路を下る。
やがて石ころ路が終って、川の音も聞こえる。上る人に出遭い、もうすぐ下山口
との話し、漸く緊張が弛んだ。 
 登山口は舗装道に面しており、滝見の人も往来する。 長い行程が終り、全員
無事に完踏した。(11:30)

 

 

大日平山荘

牛ノ首(岩壁に階段)

猿が馬場

大日岳登山口

 

称名滝・展望台下の橋から

滝壷から約300m離れ、カメラにも飛沫

 

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