からまつだけ・ごりゅうだけ

唐松岳・五竜岳

2011/8/28-30                                                   4人パーティー(崎田・記)

 名神・中央道・長野道〜豊科IC〜山麓線・R148〜白馬村
 唐松岳 2696m、 五竜岳 2814m

 八方池山荘、唐松岳頂上山荘、五竜山荘

 ゴンドラ・リフト〜八方池山荘〜丸山ケルン〜唐松岳頂上山荘〜唐松岳・往復〜牛首〜大黒岳〜
 最低鞍部〜白岳〜五竜山荘(
)〜五竜岳・往復〜白岳〜大遠見山〜小遠見山〜アルプス平駅
 八方池山荘 8:20出発(90分)丸山ケルン(60)唐松岳山荘・唐松岳往復40分・唐松山荘出発13:30
  〜最低鞍部〜(170)五竜山荘(
)5:45発五竜岳・往復(140)中遠見山〜(240)アルプス平駅

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五竜岳 (五竜山荘から 11/8/30)

    

         白馬村八方は1998年の長野オリンピックでジャンプ競技などが開かれた所でもある。
       日本ジャンプ陣の活躍は今も記憶に残る。 その上には八方尾根と呼ばれる北アルプス
       縦走路と繋がる径が続く。ゴンドラ、リフトを乗り継いで八方池山荘まで上れるので、家族
       連れでも楽しめる処だ。尾根と南北の従走路が繋がる処が唐松岳頂上山荘になる。

         縦走尾根に沿って南下すると五竜岳に至るが、一日では届かないので、山小屋に泊
       まり、翌朝アタックする。 下から仰ぐと大きな岩壁が立ちはだかり、頂上は台形状で北に
       流れる鋭い稜線は無骨な男にも例えられる山容だ。
         遥か南の台風の影響か、雲の流れが速く、長野県側から富山県側に飛び去る霧雲は
       快く、自然の冷房を満喫しながら五竜山荘に届いた。 日が没しても明けない雲の流れが
       五竜岳の凄みを演出、翌日に期待を持たせてくれる。

 

<唐松岳へ>

 
 前泊する白馬村のホテルからはジャンプ台や尾根の一部は見えるが、主脈は雲に覆わ
れてこの日は五竜も白馬も拝めなかった。
 翌朝7時半からゴンドラが稼動するので、一番に間に合うように乗り場へ並び、五竜山荘
まで8時間の行程が始動した。

 リフトは屋根もなくオープンで快適だ、足下の夏草を俯瞰しながら20分程で1800mにある
八方池山荘へ到着する。準備を整えて尾根を進む、所々にケルンが建つが中には遭難碑も
ある。 第二ケルン傍にはトイレも備わり、第三ケルンの下には八方池が広がる。白馬三山
が眺望できる絶好位置だが、雲が流れて時折雪渓と圧倒的な山稜を覗いた。

 ダケカンバなどの灌木を過ぎて大きな扇雪渓の雪田に出合う。河原みたいな処で、軽食
を摂る。下山する人が、縦走路の西側は好天、絶景を見てきたと興奮気味に語って行った。
広い登山径を進むとチングルマなどの草花が広がり、丸山ケルンに届く。更にガレた個所
や鎖径を過ぎ、山腹を二度ほど回り込むと唐松岳頂上山荘に着いた。

 その先には西に稜線を流し、三角形の鋭い唐松岳が目に映る。往復30分程の行程なの
でザックをデポして山頂へ上がる。北には天狗ノ頭、白馬へと繋がる不帰のキレットが俯瞰
でき、急坂の縦走路を見て引返した。

 

ジャンプ台の後ろに八方尾根

八方池山荘

扇雪田

丸山ケルン

ガレ場前の広い尾根径

唐松岳山頂 2696m

唐松岳尾根 (唐松岳頂上山荘から 11/8/29)

 

<縦走路>

 
 唐松山荘に戻ると下山する人、縦走する人で人影も少ない、一時半頃南の縦走尾根へと
出発する。いきなり赤茶けた岩径、鎖場が始まる。牛首と呼ばれる危険個所で慎重にゆっ
くりと進む、下りの径はザックの荷重で振られないようにと気が抜けない。 80分程で大黒
山下の鞍部に着いた。
 
 東から雲が駆け足で流れていて、霧状の水滴でクーラー並の涼風だ。鞍部でも両側は切
立っていて風の通路のようだ、しばしの休憩、後から来た人も休みをとる。
 雲はとれず、尾根は絶景もならず、アップダウンを繰り返す。 ポイントに着くとその先には
別の山並み、大きな山塊ではよく体験する。 地図や頭の中では数センチの目標が、足元
からは何度も遠ざかってしまう。
 
 次の鞍部を過ぎて目前の雲間に大きな山容が現れた。あそこも越さねばならぬかと、思
わず時間が気になる。雷予知に携帯したラジオを入れると、野田財務相が代表に選ばれた
と聞こえた。 気持ちを紛らわせながらハイマツの斜面を進むと、漸くガスの中に白岳への
分岐標と出合う。その直下には五竜山荘、長い行程のピリオドだ。
 
  

 

牛首の鎖場を超えて振り返る

従走路と白岳、遠見尾根の分岐

五竜山荘 2480m (8/29/16:12)

山荘からの雲海 (8/30/4:52)

 

<五竜岳へ>

 
  暁になる前からランプを点けて登る人も見える、吾らはゆっくりと朝食を済ませ、日差し
が照る頃に山荘を出発する。山頂も晴れやかに望め、その雄大な岩峰は確かに筋骨の様
にも見える。昨日見えた雲間の山容は五竜岳の北尾根で、長い稜線はスッキリと雲間に隠
れ、絶景に感動する。

 直ぐに岩だらけの径になり、鎖場を越えて岩の鞍部に着く。南に連なる鹿島槍ケ岳も望
め、その先は更に大きな岩壁だ。細い隙間を降りる団体が一方通行を宣言して下ってきた。
最後の鎖と岩を上がると平らな径になり、その先に山頂が見える。

 全方位の眺望、昨日からのお返しだろう。 西から南へ剣・立山連峰が目前に、双耳峰の
鹿島槍、その先に槍・穂高を遠望、東は戸隠から妙高、雨飾山などの百名山、北には縦走
してきた大黒山、唐松岳、白馬連峰などなど、好天の嶺峰に大満足した。

 

五竜岳山頂 2814m・西に剣岳

北方面は大黒岳、唐松岳、白馬連峰

南に続く双耳峰の鹿島槍ケ岳・2889m 槍、穂高も遠望

 

<遠見尾根>

 
  五竜山荘へ引き返し、白岳から東に延びる、とうみ尾根を下る事にして小屋を出発した。
白岳山頂には石の標があるが、三角点ではないようだ。遠見尾根に取り付くと可愛い雷鳥
の子が径に出てきた。 カメラにも動ぜず、人にも無関心、天敵のオコジョに出遭わぬよう
祈るばかりだ。

 テレキャビンの駅まで約千メ−トルを下る訳だが尾根には四つの遠見山があり、アップ
ダウンを繰り返し、前日と違って汗もたくさん出る。中遠見山で休憩、遥かな雪渓には熊
の姿も見えて豊かな自然を実感する。
 二つの台風に挟まれたが、曇り空も好転、充実した夏山と仲間に感謝の三日間だった。

 

ライチョウに出遭う(TSさん提供)

雪が解けた西遠見池

遠見尾根から見る鹿島槍ケ岳と雪渓 (11/8/30)

 

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