ひうちさん・みょうこうさん

火打山・妙高山

2018/8/3〜6                                                     9人パーティー(崎田・記)

 大阪駅〜金沢駅〜上越妙高駅〜妙高高原駅−笹ヶ峰(前泊)
 火打山 2462m、妙高山 2454m

 明星荘(笹ヶ峰)、高谷池ヒュッテ、黒沢池ヒュッテ

 笹ヶ峰登山口→高谷池ヒュッテ→火打山・往復→黒沢池ヒュッテ(泊)→妙高山→燕温泉BS
<山中一日目>
 6:30 登山口(290分)高谷池ヒュッテ・30分昼食(120)火打山(160)・復路-黒沢池ヒュッテ(泊)
  Σ約10時間
<山中二日目>
 5:00 ヒュッテ(30分)大倉乗越(240)妙高山・30分昼食(160)天狗堂(190)燕温泉BS
  Σ約11時間

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火打山 by T.S/rollover 妙高山

    

              昨年の夏山は台風5号が近づくなか、蓼科山から霧ケ峰、美ケ原へと縦走、
             雨中の山行きとなった。今季は台風12号が迷走したが、西へ去って好天が
             巡ってきて、四日間とも快晴に恵まれた

              新潟県西部に連なる頸城(クビキ)山塊はフォッサマグナ(大地溝帯、糸魚川
             静岡構造線)から噴出して出来た火山群で、妙高火山群と呼ばれる。
              火打山が最高峰で妙高山は「越後富士」の愛称を持つ秀麗な複式火山だ。
             火打山の西隣の焼山を含め頸城三山とも言われ、その焼山は活火山で入山
             禁止となっていた。

              余裕のある行程を立て、百名山二座へ挑んだ。 予想を超える大きな山裾、
             外輪山の難路などに足が止り、21時間超の行程となった。幸い怪我や故障も
             なく縦走できた。

 

<笹ヶ峰高原>

 
  大阪から特急、新幹線、えちごトキめき鉄道(旧信越線)を乗り継いで、約5時間で
妙高高原駅に降立つ。西陽がサンサン、駅前広場はスキー客向けの民宿などがある。
なかでも観光案内所は新しく、クーラーも完備、着替え室まである。 既に標高500m
ほどもあり、湿度も少なく気持ち良い。

 ここからは赤倉温泉や燕温泉にも行ける。 我がパーティーは縦走の出発点になる
笹ヶ峰へと向う。直行バスで九十九折の道を50分、前泊の明星荘に入る。
爽やかなキャンプ場を抜け、近くの乙見湖へ散策する。 宿の向いに登山口ゲートが
あり、立派な屋根まである。否応無しにテンションも上がり、翌日に備える。

 

笹ヶ峰の登山口 (1300mH)

高谷池ヒュッテ (2105mH)

天狗の庭(逆さ火打) (2130mH)

 

<火打山>

 
  二日目も好天の様子、6時半に出発。ゲート前で写真に納まり、縦走が始る。木道
が笹の間を抜け、緩やかな径が続く。 子供連れもいて周遊道も兼ねているようだが、
登山ルートは一時間経っても木道だ。だんだん勾配も上がり、ブナ林を抜けたら黒沢
の水場に下った。高校生の団体が休憩中、軽装だが足は速そうだ。

 水場の上から岩途となり、露岩やロープの曲りくねった径になる。標もあり、十二番
まで急坂が連続する。 やや平らな木陰で休憩していると、高校生達に追い抜かれた。
ほどなく妙高山・黒沢池方面の標に届き、それを見やって火打山・高谷池方面に進む。
 アップダウンが続き緑豊かな原っぱの中に三角屋根の高谷池ヒュッテが望めるよう
になる。その背後は火打山がゆったりとスロープを描いている。(11:20ヒュッテ着)

 小屋の前で昼食を摂り、ザックをデポして山頂へと向う。 岩途を登ると、天狗の庭
と呼ぶ湿原(池塘)が広がり、高嶺の花と逆さ火打が絵になる処だ。 さらに岩径と坂
が続き、背中には直射日光が当る。足が重くなり、尾根の下2200m付近で退却とする。
猛者揃いの女性陣六名のみが、山頂に立った。(13:50)

 一足先に下り、たっぷりと湿原の木道を辿り、花を画像に納める。 高谷池ヒュッテ
まで戻って全員が揃うまで待機し、二班に分かれて黒沢池ヒュッテへと進む。茶臼岳
までは緩い上り、ピークを越えたら広い湿原の隅にドーム屋根のヒュッテが目に入る。
急坂を下って投宿、この日の行程は10時間を要した。

 

火打山の中腹から妙高山と湿原の眺望 at 2200m

火打山へ/rollover 最後まで木道 by T.S

 

 

<妙高山>

 
  別館と言う小屋の屋根裏に泊り、翌朝4時からの食事を摂り、5時に出発できた。
30分ほど岩径を登ると大倉乗越に届いた。複式火山の外輪山を越える処だ、内輪の
行く手には無骨な感じの山塊、妙高山が目に入る。 外輪山の内側を辿るように狭い
トラバース状の径が続く。 草っぱらの底部が俯瞰できるようになり、山塊の陰で暑さ
も凌げる。 長助池分岐の下で休憩を取り、最長老のUさんを先頭に岩径に取り付く。
ロープ、段差のある急登が続き、下山する人と交差するようになる。山頂北側にある
絶壁や屹立する岩が見え、漸く山頂下の祠へ届き、最後の岩径をクリアーして山頂へ
到達した。(9:30)

 頂きは広く、全方位の眺めは快適だ、火打山と隣りあう独立峰の焼山、火山らしき
山容は見応えがある。遠く北アルプス連峰も望め、集合写真に納まり、数分の南峰
へと進む。 僅か数百年前に溶岩を削ったようなピーク、岩陵は迫力がある。 強い
光と風を受けながら、昼食とする。 下山路は狭い岩径から始り、高度を下げ乍ら行
くと、鎖場に着いた。約30mほどか、登る人達に待ってもらって慎重に降りる。
 樹林帯に入り、小さな風穴から涼しい風が吹き出し、しばしの涼をとる。更に下って
小さな池を巻き、天狗堂と言う広場で休む。 ここが燕温泉、赤倉温泉方面の分岐に
なっている。(12:50)

 燕温泉方向へ下ると、胸突き八丁と云う難路が続いていた。 岩径や急坂が連続し、
足どりも遅くなる。 何度もロープに掴まり、下りの終端には金属プレートの標まである。
更に下って水無し川原で休憩、その先では異様な臭い、白い物が沈着した小石と伏流
水になる。 やがて湯道分岐に達し、後の組へ伝言を書付け、残り僅かかと安堵する。
 
 しかし深い北地獄谷の淵を下る細い径になる。狭い径やトラバースが続き、狭い鋪道
が現れる。 滝も見えるが、崖っぷちで油断できない。 分岐から一時間ほど下り、漸く
車道に出て温泉街も見え、照り返しで暑い登山口に届いた。(15:30)
 野天風呂・黄金湯を脇に見てバス停へ着いたが、後続グループとかなり離れたようだ。
縦走に11時間を要し、予定した路線バスで休暇村妙高へ投宿、全員で完踏を祝した。


  

 

妙高山・北峰から火打山と焼岳を眺望

 

妙高山北側の急登(約400m) byT.S

妙高山・南峰 byT.S

妙高山南の鎖場 byT.S

天狗堂(燕温泉、赤倉温泉分岐)

燕温泉側の登山口

 

<PS>

*ザックの中身を軽くした積もりだが8Kg強を背負って縦走した。 水や昼食など必携
 の物はあるが、衣類で不用な物もあった。
*下山時に後続組と携帯電話で連絡が取れなかった。 山中では電池の消耗を防ぐ
 ために電源を切っておくべきだった。
*行程時間は余裕をみて一日8時間程で計画したが、暑さや疲労で大幅に超過した。
 さらに記録やデータでは読めない難路が多くて足が遅くなった。


*主なポイントの標高m: 笹ヶ峰登山口1300
高谷ヒュッテ2100火打山2462
 黒沢池ヒュッテ2010
大倉乗越2140長助池分岐2030妙高山2454燕温泉1100
*参考地図 
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