2004/5/1           鈴鹿山系・鎌ケ岳に登る

                                  北摂分隊

 近くにあってアルペン気分が十分に楽しめると言う鎌ケ岳に登った。御在所岳の南隣にあ

り鈴鹿スカイラインの武平峠からは二つのピークを半日で往復することも出来る。今回四日

市市の宮妻キャンプ場に車を停め、三人で新緑の山に踏み入った。

 

<水沢峠>

 峠への分岐点までは舗装の林道が続いた、水の涸れた谷筋に入ると漸く山径らしくなった。

700m付近からはスミレ、イワカガミ等があちらこちらに咲き誇り、頭上の椿は赤い花を重たげ

にぶら下げている。このルートは風化した花崗岩の砂礫が多く、ザラザラした径が続く。峠に

出る最後の急登には大きな岩肌がせり出し、山の組成を物語っている。

 鎌尾根・鎌ケ岳へ縦走する峠では琵琶湖方向から涼風が吹き上げ、予定時間よりも早く着

いたので一安心した。

<宮越山>

 峠から鎌尾根を目指して登りが続くが、宮越山(水沢岳)の広い山頂で昼食を摂る事にして

40分ほど休憩した。ここまでは歩き易く、鎌ケ岳の遠望ができ、予定通りなら3時半には下山

できると想定した。 しかしこの後、おっかないガレ場を迎えるとは考えもしなかった。

<鎌尾根>

 いきなり急坂の下りが現れ、ザラザラの路とごつごつした丸い岩が200mほど続いている。

路の端にある草木にしがみつき、かろうじて滑落を避ける。今度は痩せ尾根が現れる、左右

には急落が続き、油断が出来ない。所々ハルリンドウの群落があり、あの青紫の可憐な姿に

ホッと、緊張感がほぐれた。

 行く手に次のピークが現れ、踏み跡の薄いとっかかりでルートを探す。逆コースを辿る人が

降りてきた。彼もこのピークで少し間違ったとか、ざらついた路で滑落しないように互いに注

意を喚起して交差した。

 鎖場や笹の茂った痩せ尾根は危険で、脚もやや遅れる。痩せ尾根から最後の急坂を下り

岳峠に着く。昼食時に見た眺望からは想定もつかない、ガレ、鞍部、急坂など等1000mの

尾根とは思えなかった。スケールや周囲の山々の風景こそ違え、3000m級のルートと変わら

ない緊張を強いられた。

<山頂>

 岳峠はキレット状のコルで、荷物を置いて鎌ケ岳山頂をピストンした。山頂からは御在所岳

が手の届くように迫り、武平峠から鎖で登ってくる人とも出会った。 祠は半壊して岩肌と砂礫

だけの細長い山頂である。向い側の雨乞岳、綿向山等の山頂は緑に覆われている。

伊勢湾は霞がかかり明視不良、琵琶湖は全く見えない。 歩いてきたピーク、冷や冷やした

尾根筋が全部俯瞰でき、快晴の下の眺望に満足した。

<カズラ谷>

 山頂下の岳峠で同じルートを辿ってきた20人ほどの団体と遭った。ガイドさんが案内して皆

小休止を取っている。互いにエールを交換して我が分隊は下山を始めた。

 ざっくりえぐれた軟弱な泥路や木の根っこ路を下る。落ち葉が深く溜まっている処では足を

取られたりする。一気に下るが思った以上に長い、谷川の音が大きくなる頃に今朝登った

林道に出た。 全員怪我も事故もなく下山し、帰途に湯ノ山温泉に向かった。

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[アクセス] 6:40蛍ケ池発→西名阪・東名阪・鈴鹿インター経由→9:10宮妻キャンプ場着

       16:30宮妻キャンプ場発→湯ノ山温泉ヘルシーパル立寄り、往路と同じで帰着

[コースタイム(分)]

宮妻キャンプ場(40)水沢峠分岐(50)水沢峠(40)宮越山・昼食(120)岳峠(15)鎌ケ岳ピストン

(120)宮妻キャンプ場 (小休止を含む歩行時間、計6時間25分)

[参加メンバー] 中山、上田、崎田(記)

(水沢峠〜鎌尾根〜鎌ケ岳山頂の写真)

ガレ場

鎌ケ岳の遠望

鎌ケ岳頂上

イワカガミ

春りんどう

(写真をクリックすると画像が大きくなり、20秒毎に循環します:Amend06/Feb

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