かみひるぜん・なかひるぜん

上蒜山・中蒜山

2021/11/6                                                       8人パーティー(崎田・記)

 高速バス: 大阪なんばOCAT→中国道→米子道→江府IC (休暇村蒜山高原に前泊)

 中蒜山に避難小屋
 上蒜山 1199.7m/ピーク 1202m、中蒜山 1123.4m、下蒜山 1100.4m

 中蒜山登山口→五合目・祠→縦走尾根合流→中蒜山→鞍部→上蒜山→P1030→上蒜山登山口
 登山口8:30発(70)祠(60)尾根(15)中蒜山(70)上蒜山・昼食20分△点往復20分
  (100)牧場横14:40着 
Σ6時間、約13Km

 

   
    蒜山・ひるぜんの名前由来に定説は無い由、ノビルが多く自生するとか蛭が多いとか常に日が当るとか等々の
    解釈がある。ただ日本で唯一の地名だそうだ。 広い高原とほどよい高さの三座が連なり、観光とトレッキング
    には最良の場所とも云える。 高原から尾根に向うスロープは真にたおやかで、一度見ただけで記憶に刺さる。

    今回は中蒜山から上蒜山へと辿り、秋の山並みを満喫した。今期は長雨や自粛ムードで夏山を中止、秋の遠征
    が待たれ、中国山脈の名山へ向った。 西には荒々しい姿の大山が聳えるが、対照的に牧歌的な蒜山は容易に
    登ることができる。宿所から登山口まで送迎バスも利用できるのでザックも軽かった。

   

高原と蒜山 (上蒜山/左、中蒜山/右)

 

<中蒜山>

 朝日を浴びた山容は霧につつまれ、ぼんやりとしている。帰りのバスが16時発なので、それまで
には帰宿する必要がある。 霧の中の高原道路を進むと所々に観光施設が見える。登山口の脇に
レストラン、駐車場が整っている。塩釜冷泉と云う湧き水の池があり、その前方が中蒜山登山口だ。

 緩い坂を上がり、流れに沿った径を登ると段々霧が薄くなった。一時間ほどで霧も晴れ、振り返
ると雲海が見える。高原の先にある盆地に漂い、静かに陽射しを待ってるかのようだ。 勾配もき
つくなり、木の根っこが絡む径を登る。最後には岩、石ころ径になり、漸く縦走尾根に届いた。

 西へ進むと避難小屋、その側が山頂で沢山のハイカーが休んでいる。大きな樹林が少なく、高原
へ続く山肌は緩やかで、黄葉もちらほら、牧場や集落が箱庭みたいに俯瞰できた。 記念写真に納
まり小屋の脇を下る。行く手の尾根は笹の小路、ゆるやかな稜線を描いている。 前方には上蒜山、
更に小さく大山の東半分が遠望でき、遥かに日本海もうすく見える。

中蒜山への登山口 (標高 510m)

雲海を遠望 (4〜5合目)

中蒜山 1123.4m

 

<上蒜山>

 笹の稜線を下り、最鞍部 P985までは足取りも軽い。上りになり、樹木が茂り石ころ径になり、重い
鎖が連続する坂になる。 径の巾はあるので、鎖を踏んで上がれるが、鋭い勾配はお世話になる。
 行く手が何度か明るくなるが、頂上には出ない。中蒜山から見た時よりも坂がきつく、一時間ほど
かけて漸く山頂へ届いた。本日の最高点 P1202の標が立つ。

 アーチ状の稜線の先には中蒜山の頂きがある。上蒜山は三差路になっており、数組と一緒に昼食
を摂り、少し先にある三角点に向う。太いクマ笹に足を取られるが、確かに石柱にタッチし、写真に納
まって下山となる。元の分岐に戻り、緩い尾根径を見ながら下る。途中のやや広い P1030槍ケ峯から
は勾配がきつくなり、石ころ路もあり、歩きにくい。 やがて杉の人工林に入り、ジグザグ径を下って
高原の淵に出た。牧草のなかを進んで牧場脇に下山、バスを待って宿所へと戻った。

上蒜山への縦走尾根 (大山の東半分を遠望)

上蒜山の山頂 1202m (東に中蒜山を望む)

上蒜山下山口から牧草地を下る

 

<蒜山高原・補遺>

 中国山脈の岡山県の北端、鳥取県境に位置する代表的な山塊で、広い高原は標高500mほど
東西20Km、南北10Kmの領域があるそうだ。戦後の日本で食料自給の観点からジャージー乳牛を
大量に輸入し、当地の他北海道、岩手、八ヶ岳山麓、霧島山麓等々の希望者に配布されたそうだ。
そして現在はこの真庭市が日本一のジャージー種生産量を誇る由、やや小ぶりながらうす茶色の
乳牛で、放牧も見られ、”蒜山ジャージー牛乳”など各種乳製品を産出している。


 この地方では明治時代から軍馬の育成がおこなわれていた由、そして旧日本陸軍が昭和10年に
蒜山原陸軍演習場を新設し昭和29年に払い下げられた歴史がある。(最近の報道で知った)
ここで最後の訓練を受けた兵士は即戦地へと赴任、貧弱な装備等で訓練中に亡くなった人もある。
トーチカや監視台などの遺構も発掘され、戦争の記憶、記録を留めるべく活動を続ける人がいる。
(真庭市蒜山郷土博物館で企画展開催)

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