こぶしだけ ・ かりさかとうげ

甲武信岳〜雁坂峠

2011/11/16〜17                                             崎田信義

 山梨市内→国道140号・かりさか道→西沢渓谷入口(市営駐車場)
 甲武信岳 2475m、 木賊山 2469m、 西破風山 2318m、 雁坂嶺 2289m

 西沢渓谷入口→山荘横→徳ちゃん新道→木賊山→甲武信岳→甲武信小屋(泊)
 〜従走路出合→破風山→雁坂嶺→雁坂峠→峠沢→道の駅みとみ→駐車場
 西沢渓谷入口8:50(40分)西沢山荘(315)+昼食30分・木賊山(15)甲武信岳・小屋(泊) Σ6時間40分
 小屋7:10(120)西破風山(105)雁坂嶺(35)雁坂峠+昼食30分(160)道の駅
Σ7時間30分、全21Km
    参考地図 こちら          () パソコン画面のズームは100%でフィット

 

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  甲武信岳は甲斐(山梨県)、武蔵(埼玉県)、信濃(長野県)と三国境に位置している。
学生の頃山頂を目指し、親友と雲取山から縦走、時間切れで断念した想い出もある。

 「開かずの国道」と言われた140号線が雁坂トンネルで山梨−秩父が結ばれ、アク
セスも便利になった。しかし奥深い秩父連山は人を寄せ付けない処で、河川の源流
にもなっている。 甲武信岳を源流とする三本の河川は有名で千曲川は信濃川に、
笛吹川は富士川に、荒川は秩父盆地から関東平野を流れて東京湾に注ぐ。なんとも
壮大な流れの源に座っている。

 小屋に泊って東へ縦走、雁坂峠までは富士山を眺めながら、晩秋の山稜をたどり、
果たせなかった奥秩父の峰々を数十年ぶりに堪能できた。

  

雁坂嶺付近からの眺望

甲武信岳頂上 /rollover 富士山遠望

 

<長い急登>

 甲斐の国・山梨市からはどちらを見ても峰々が連なり、空きがない。高台にあるフルーツ園
に上がると前衛の山並みの上に富士山が現れる。笛吹川に沿って雁坂峠方面に進むと広瀬
ダムから西沢渓谷の入り口に至る。
 カメラを担いだ人が多く、今年は不良の紅葉を渓谷に狙っているそだ。 3時間ほどで周回
できる径がある。

 渓流に沿って進むとヌク沢から取り付く近丸新道の標識がある。 小屋からの指示は、その
先の徳ちゃん新道をとある。資料では小屋までの標高差1220mが5時間強とある、昼食や休
憩も加えると6時間の行程になる。更に20分程で山頂に上がり、1400mの標高差になった。

 9時半に休業中の西沢山荘横の新道口へ、指示の理由は後で判明した。登りだけの行程は
50分歩いて、10分休むペースで急なジグザグ径を上がる。400mほど上った所で最初の休憩
を取る。 後ろからテントも担いだ人が追い抜いてゆく。  更に350mほど上り二度目の休憩、
この付近から石楠花の群生路となり、程なく近丸新道との合流地点に出合った。三度目は昼
食休憩を摂る。山荘横から3時間経過、2050m付近に至り、西には鋭い鶏冠尾根が迫る。

 戸渡尾根を更に250mほど上がり四度目の休憩、石ころと木の根っこだらけの急坂になる。
コケや倒木なども混じり歩きにくく、お腹の調子もイマイチ、足も遅くなる。 我慢の為所かと
ゆっくりと進んで漸く従走路に出合った。直ぐに木賊山・トクサヤマの三角点に着いて長い
尾根上りが終わる。

 

道の駅みとみ(背後に木賊山)

西沢渓谷口 1100m

近丸新道入口(徳ちゃん新道は少し先)

ジグザグ尾根の唐松林

二新道が合流 1869m

戸渡尾根のゴゴロ路

従走路出合 2440m

トクサ山は三角点がある 2469m

 

<山頂>

  目指す甲武信岳も間近になり、下から6時間で小屋に着いた。管理人に聞けば標準的
な時間だそうだ。ザックなどを置いて20分ほど上り山頂を踏んだ。 三角点は無いが台座
と標識は堂々と見え、全方位に嶺が連なっている。遥かな雪の北アルプス、甲斐駒、北岳
などを遠望、南の富士山が圧巻だ。夕暮れも近いので雲の上の姿はおぼろな感じだ。

 小屋に戻ると同宿する人が8名ほど、TVクルーの一団は荒川源流のシリーズを撮影す
る目的で上ってきたそうで、小屋の下が源流で碑も立ってるそうだ。
 夜は徳さん(管理人)が撮ったビデオや出演した番組を鑑賞させてもらう。 太陽光発電
装置、大画面液晶TVなどもあり、中々粋な人で、こだわりも一流だった。

 翌朝に再度山頂へ進み日の出を待つ、真っ赤な玉が秩父方面から上がり、樹林を通して
幾筋もの光が山肌を照らす。 富士山も左側がほんのりと赤みを増してくる。 何時見ても
感動的な光景だ。

 

暁の富士山

甲武信小屋

甲武信岳(トクサ山より)

小屋からまき道で雁坂峠方面路に合流 2410m

富士山の遠望が続く

西破風山 2318m

雁坂嶺 2289m

 

<雁坂峠へ>

 晩秋の冷え込みでドラム缶の水は凍りつき、昨朝はマイナス8度だったとか、積雪は無
いが山奥の小屋も今月で閉めるそうだ。ベストの上に防寒用のフリースを着て出発する。

 体調もやや復帰したので、予定通り峠を目指し、そこから下山する事にする。木賊山を
巻く径を進んで従走路に出合う。 鞍部にある避難小屋まで400m下り、300m上がると
破風山・ハフウサン、かなりの強風で帽子も飛ばされる。名の通りの状況に一人笑いだ。
露岩の径もあるが、アップダウンもきつくはないので、時間通りに足が進む。 西破風山、
東破風山、雁坂嶺とピークを過ごして峠に着く。

 右手の富士山は淡い青雲や山並みの上に鎮座、足元の木々との光景は絵にも描けな
いほどの絶景だ。連続するので何度もカメラに収める。

 雁坂峠は日本三大峠(南アルプスの三伏峠、北アルプスの針ノ木峠)の一つで笹に覆わ
れた広い所だ。 甲斐と秩父を結ぶ要所で、武田信玄が軍事用路として重宝したとされる。
従走路を東へ進むと東京都の境にある雲取山へ至る。ここで昼食を摂り、南へ急坂を峠沢
に下る。約100分で舗装の林道に出合う、更に峠を貫通する雁坂トンネル口へと辿り、道の
駅前に戻った。

 甲武信岳から雁坂峠へと縦走し、若くして逝った親友と目指した山塊のリベンジにもなっ
た。 山並みの写真も一緒に供えようと思う。

 

雁坂峠 2060m

日本三大峠の雁坂峠

沢沿いに下り舗装林道に出合う

雁坂峠登山道口に到着、道の駅まで10分程

 

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