2004/4/1(快晴) 烏帽子山と那智の滝 与作 |
初めて和歌山県勝浦に足を延ばし、那智の滝を巡った。青春切符を利用した6時間弱のローカル線は 海に面した優しい土地だった。 台風シーズンによく耳にする本州最南端の潮岬灯台にも寄った。 |
|
青岸渡寺・三重ノ塔 |
<白亜の灯台> 大阪から鈍行を乗り継ぐ、和歌山までは快速電車で一時間余、御坊と田辺で乗換え、串本で下車した。 12時37分に岬行きのバスがあり、昼食も摂らずに飛び乗る。狭い道路を岬に向う、家の周りに石を積ん だ塀もあり、台風に立ち向かう暮しが偲ばれる。 岬の灯台は真っ白で、遥かな太平洋を照らす使命を思 うと、より大きく見えた。 眼下の黒潮の流れと行き交う船、春の海が最南端の借景だった。 <世界遺産なるか> 昨今人気が高い熊野古道の中辺路に対して、この地域は大辺路と呼ばれ、現在世界遺産登録へ申請 中だそうだ。 この六月には”吉野熊野”一括での登録が決まるものと、期待が高まる。 駅前の宿に前泊し、朝一番のバスに乗り、大門坂下で降りた。坂を30分程上がれば往時の熊野古道 を体験できるが、烏帽子山を目指して浄水場の脇から橋を渡り登山口へ向った。 <烏帽子岩> 山径に入り小さな堰堤の側の陰陽ノ滝に出会った。 三ヶ所ほど渡渉を繰り返し谷沿いに登ると、50m 位の松尾ノ滝が現れた。ポイント毎に地元”新宮山の会”による標識があり、一人でも迷わずに登れた。 ただ雨の直後は増水で渡渉も大変だろうと思える。 林道に出て烏帽子山に向うと大きな岩が目前にニョッキリ現れた。 形が烏帽子に似ていて、役の行者 が置き忘れたとか、梯子が付いているが天辺までは登れなかった。 山頂の木々の間から熊野灘が見 え、反対側には大雲取山、遥かに大峰の山々が連なって見える。 <原始林> 山頂で20分程休み、一旦林道へ戻り、那智ノ滝に向う。 突然ガサガサと音がし、鹿の白い後ろが見え た。こちらも知らぬ振りをして数歩進んで見上げる、目と目が合った瞬間、山の上へと素早く駈けだした。 小さな標識に沿い林道から谷筋へ下る。 所々に赤い卍もどきのマークやテープがある、登山者の印で はない様子。 深い木々と幅を増す川に沿って下るが、歩行用の標識は全く無くなり、踏み跡も薄くなる。 やや焦りだし、地図を見るが現在位置が良く判らない。 川が何箇所かで合流、辿ってきたルートが推測 の範囲になってしまう。 初めてルート誤りを自覚し、元の地点へ引き返し、分岐点から別ルートを進む。 やがて三ノ滝に出合い一安心する。更に二ノ滝までは渡渉や川床を歩く。この付近は那智大社の聖域 になり下流には立ち入らぬよう案内板が何箇所もある。逆コースで登る時には社務所に連絡との標識も 立っていた。 <青岸渡寺・那智大社> 大きな岩坂を登ると青岸渡寺の朱塗りの塔が目に映った。隣り合せに熊野那智大社があり、吉野から 熊野に詣でた昔の人の雰囲気が味わえた。 荘厳な朱塗りの門や社が山に溶け込んでいる。 青岸渡寺は西国33観音霊場の第一番札所、寺にお参りする人は老若男女、滝にも魅せられて満足顔 ばかりだ。 三重の塔の前に座り、那智の滝と桜を交互に眺めて長い昼食、大きな春の絵にはまった。 [アクセス・前泊] 熊野交通バス am6:20勝浦駅発、am6:40大門坂下車.....pm1:40滝下乗車、pm2:05勝浦駅着 [コース時間] 大門坂(20)陰陽ノ滝(90)松尾ノ滝(10)林道出合(50)烏帽子山頂(30)林道出合(10)鬼杉谷下り (50)三ノ滝(10)二ノ滝(30)青岸渡寺 :(数値は小休止を含む所要分数) |
=============== 歩いた処 ===============
(潮の岬灯台) |
(那智の滝) |
(烏帽子山頂上909m) |
(烏帽子岩) |
(那智山青岸渡寺) |
(熊野那智大社) |
============== 投稿ページへ戻る ================