みずがきやま ・ きんぷさん

瑞牆山〜金峰山

2013/8/3〜5                                                         11人パーティー(崎田記)

 名神高速・中央道・須玉IC→明野ひまわりフェスタ→R23→みずがき山荘
 金峰山 2599m (三角点2595m)、みずがき山 2230m、 大日岩 2201m

 山荘→富士見平小屋→みずがき山・休憩20分→富士見平小屋・昼食30分→
 大日岩分岐→砂払ノ頭→金峰山→金峰山小屋(泊)→金峰山荘(バス乗車)
 山荘5:30発(50分)富士見平小屋(130)みずがき山・休憩20分(100)富士見平小屋・昼食30分(110)大日岩
 分岐(70)砂払ノ頭(80)五丈石・休憩10分(20)金峰山(30)金峰山小屋16:20着(泊)(170)金峰山荘(乗車)

 Σ10時間40分+2時間50分、全行程約 20Km
     

) パソコン画面を125%に拡大して見ると文字、画像もジャストフィット

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 恒例の夏山団体登山は山梨・長野県境にある百名山・みずがき山と金峰山に登ることになり、
好天の下マイクロバスで遠征する。東京の奥多摩・雲取山から西へ甲武信ケ岳、国師ケ岳など
奥秩父の峰々が連なりこの二座で切れる。更に甲府盆地を挟んで八ヶ岳と南アルプスへ続く。

 瑞牆山は読みも難しい名前、PCで変換も叶わない難字で、「瑞牆」とは神社の周囲の垣根
(玉垣)の事とある。 深田久弥は「大森林からまるでニョキニョキと岩が生えているようだ」と
表現したそうで、花崗岩からなる山容は遠めにも異様だ。

 金峰山は奥秩父連峰の王者とも云える風格のある山容で、行者が開いた山と伝えられている。
確かに、西に東にと裾野をなだらかに引いて、悠然と座っていた。 さらに山頂傍の”五丈石”は
重厚な大岩が重なっていて、周辺の峰からは直ぐに視認できるシンボルだ。

 関西からのアクセスは時間的なハンデもあり、上りルートを採ることにして、みずがき山荘に
前泊し西から東へと二座を縦走することにした。
(高低差;瑞牆山荘→金峰山 約1080m)

  

 

山頂

瑞牆山・ヤスリ岩 /rollover 山頂

 

<みずがき山へ>

 コース時間は8時間、休憩など含めて10時間を見込み、早朝5時半に出発する。山荘前の
林を上ると約50分で富士見平に着いた。 小屋の外にザックを置き、7人分をロープで縛る。

 最少限の荷物でピストンする予定で、脇の径から瑞牆山への一歩が始まる。石ころ路を上り
程なく急坂を下ると鞍部の天鳥川に至る。水はなくその先にある”桃太郎岩”の大きな割れ目
と添え木が笑いを誘う。ここからは岩途になり、数回のジグザグを上がると大岩が目に入る。
 ”ヤスリ岩”と呼ばれる岩の基部で数万トンもの岩盤の一部が現れた格好、力強くバランス
の取れた形状には驚かされる。

 更に大きな根っこやガレ径が続き、大岩の間を抜ける処もあるが、一本道ではなく径を選ぶ
ことも出来る。2200m辺りの急坂(100m下から平均斜度41度)を凌ぐと平らな所に着く。北に
も縦走できるようだが、踏み跡程度で行く人は少ないようだ。 右に回り込んでロープ、梯子を
上るとやや広く傾斜した山頂へと届いた。  
(高低差;富士見平→みずがき山 約440m)

 曇りがちな天候で八ヶ岳も裾野だけが現れ、南アルプスは眺望ならずだった。しかし南側に
は”ヤスリ岩”が手の届くような距離に天辺を見せてくれる。 絶景に感嘆し、仲間と集合写真
に納まる。 東にはこれから挑む金峰尾根も眺望、20分程で下山する。


 

みずがき山西壁(みずがき山自然公園)

みずがき山荘 1520m

富士見平小屋 1790m

桃太郎岩

岩峰 (左端がヤスリ岩、奥に山頂)

ヤスリ岩の基部

大日岩〜金峰山尾根を遠望

金峰山尾根・八丁平方面分岐

 

<大日岩へ>

  再び富士見平に戻りオニギリ昼食を摂って、11時に金峰山へと出発する。直接向う4名の
仲間ともケータイで連絡がつき、前方を進んでいるようだ。
 一時間ほどで大日小屋の上に着き、休憩をとる。先方には尾根が見え、緑の中に大岩が出っ
張り、主脈を物語る。粘土質の急坂を進むと、梁みたいな岩盤が目に入る、しなった岩にパワー
を覚える。その上部が大日岩のようだ、本日二番目の大岩だ。

 30分ほどあがったら平らな尾根に届いた。 2、3のパーティが休んでいて、八丁平への分岐
だが、すぐ先に大日岩の天辺が望める。 時間をかけても上れそうもない、がっしりした姿は尾
根に楔を打ち込んでいるようにも見える。


大日岩 2201m

砂払ノ頭 2317m

金峰山西尾根 (先に”千代ノ吹上”)

五丈石(横姿)

金峰山・三角点 (by H.S)

金峰山・五丈石 2580m

 

<金峰山尾根>

 大日岩直下を過ごし緩やかな樹林の中を進む。 深山でしか体験し得ない、葉巻タバコの匂
いにも似た良い香りに癒される。植物の花、葉、枝などから発散される匂い物質がミックスして 
醸す香り、“フィトンチッド”と云うそうだ。

 急な上りをクリアーするとシャープな形の岩に届いた。  ”砂払ノ頭”で南に切れ込んでいる。
標には金峰まで一時間とあり、至近距離になったかと思った。
 休憩をして先に進むとだんだんと大きな石ころ径となり、二、三の岩の突起が見える。ざっく
りと鞍部も見え、ガスの中に”五丈石”の輪郭が見えてきた。 上り詰めると大きな断崖が南に
流れ、”千代ノ吹上”に至る。しゅう曲みたいな岩肌は雲に消えて裾野も覗けない、凄みのある
光景に思わず足が止まる。

 時々ガスが去り、行く手に五丈石と小屋の屋根が目に入る。足元には大岩が幾重にも重なり
岩にある踏み跡を辿ることになる。四つんばいで這い上がる石もある。
 やがて”五丈石”の下に進み、漸くに金峰山に届いた。大石を横に重ねたような五丈石の前
は広くて、天辺まで上れるそうだ。お経も埋めてあるとか、山岳信仰のシンボルだったのだろう。

 小屋への分岐点にデポし、傍の頂上へ上がる。 岩が重なり、三角点はその隙間みたいな処
に更に岩を越えて天辺へ届いた。(地図では4m高い)全方位の眺望だが、曇り空なので、北の
川上村方面のみしか俯瞰できなかった。
 分岐へ降りて金峰山小屋へと下山開始、這松やシラビソ等の樹林帯の中、小さな屋根が段々
と大きくなり小屋へと着いた。二時間ほど先に着いた仲間と合流し、互いの健闘を称える。8〜
11時間弱もの行程、天候も味方し皆が無事に踏破した。

みずがき山遠望(廻目平への下山路から)

 

<廻目平へ>

 金峰山は山梨県ではキンプサン、長野県ではキンポウサンと呼ぶらしい。泊った小屋は長野県
川上村に在る。 こじんまりとした山小屋には水場がないので雨なども貯めて使い、太陽光発電も
敷設されている。枕もとの小窓からは瑞牆山も眺望できた。
 5時半からの朝食はお粥と数種の漬物、普段は口にしないので、お代りも頂き皆も満足だった。
少ない水やエネルギーを工夫していて、ペットの犬もおとなしく小屋の中で暮らしていた。

 山頂はうす雲りだが、清清しい空気をもらい下山開始。(6時半出発) 針葉樹林帯には石楠花
の残り花があり、奥深い径に彩りを添えている。一時間ほど下ると植生も変わり、前方に瑞牆山
の眺望が開けた。

 程なく砂洗川と合流、橋を渡ると林道になった。 所々荒れた場所もあるが、一本路が段々と幅
を広げ、川沿いのキャンプ場に着いた。避暑を兼ねた人で賑わい、村営の金峰山荘がある。予め
手配したマイクロバスに乗り込み大阪へと戻った。
 奥秩父西端の瑞牆山(百名山)と王者の金峰山(百名山)への縦走は天候にも恵まれて、無事に
三日間の夏山を終えた。

 

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