はりのきだけ

針ノ木岳

2015/8/6〜9                                                       8人パーティー(崎田・記)

 大阪・梅田BT〜長野・松本BT〜JR信濃大町 大町温泉郷”からまつ荘”に前泊
 岩小屋沢岳 2631m、赤沢岳 2678m、スバリ岳 2752m、針ノ木岳 2821m

 種池山荘、新越山荘、針ノ木小屋、大沢小屋

 柏原新道口→種池山荘→新越山荘(泊)→スバリ岳→針ノ木岳→針ノ木小屋(泊)→大雪渓→扇沢駅
<山中一日目>
 柏原新道口7:40出発(90分)ケルン(180)種池山荘・昼食30(80)岩小屋沢岳(60)新越山荘15:20着(泊)
  Σ7:20
<山中二日目>
5:40出発(55)鳴沢岳(75)赤沢岳(160)スバリ岳・昼食20(70)針ノ木岳・休10分(60)針ノ木小屋13:10着(泊)
  Σ7:30
<山中三日目>
6:0出発(50)雪渓上端(115)大沢小屋(70)扇沢トロリーBT駅9:55着 Σ3:55

 

針ノ木雪渓

    

     北アルプスの白馬から槍・穂高まで連なる峰には沢山の名峰がある。 その中間に位置する
    針ノ木岳・蓮華岳を目指して大町市扇沢の柏原新道から周回ルートを辿った。
    
     針ノ木峠は戦国時代の武将・佐々成政が、越中から浜松の家康に再挙を促すために厳冬の
    立山山系を自ら越えようとして、ほぼ全員が雪に埋もれたとの伝承がある。 (さらさら越え)
    歴史的にも要衝だった処だ。

     幸いにも3日連続の快晴に恵まれ、北アルプスの名峰を全て遠望する事ができた。最終日は
    アルプス三大雪渓の一つ、針ノ木雪渓の涼やかな冷気に押され快適な下山となった。


 

登山口から見る針ノ木岳(奥左)スバリ岳(中央)赤沢岳(右)

 

<尾根へ上る>

 
  台風13号も逸れて、天候もよく過去の夏山で一番の北アルプス大展望が
堪能できた。 扇沢から種池小屋を経由し針ノ木大雪渓を下る周回ルートは
アップダウンが続き、岩が重なる登り坂など予想以上の厳しい径があった。
 参加者全員、事故もなく完踏でき、例会の集大成を果たせた。

 初日は高速バス、JRを乗り継ぎ大町市の温泉郷で英気を養った。昭和30
年代に数キロ離れた葛温泉から、お湯を引いて別荘地や街ができたそうだ。
 翌日はタクシーで柏原新道登山口に向う、鹿島槍ケ岳や爺ケ岳のルートに
もなる径だ。 久しぶりに重いザックを担ぎ、足元が怪しい。 初めの急登を
越すと身体も慣れてくるが、ペースは上がらない。鉄砲坂と云う最後の急登
を詰めて漸く種池小屋に着いた。上りだけで4時間強の行程、標高差1100m、
山体の大きさが解かる。冷たいコーラや昼食を摂って泊り予定の小屋へ向う。
 お釜の縁を周回するようなルートで、初めは西へと進む。時折ガスが掛か
るが下山予定の扇沢トロリーバスターミナルも見える。 大小の雪渓も見え、
高山植物の花が咲き乱れる尾根は清清しい。

 標高2500〜2600mの尾根だがアップダウンも2度、3度続く。 漸く岩小屋
沢岳の標識2630mに出合い、山荘も近くなるが下っても山荘は見えず、更に
小さなコブを越えると新越山荘へ届いた。 午後の歩行は3時間弱、出発して
7時間40分の行程となった。

 

 

柏原新道登山口(by HS)

柏原新道・ケルンまで80分

種池山荘

尾根筋は高山植物満開

最初のピーク・岩小屋沢岳

新越山荘に泊る

 

剣岳・大雪渓や小窓ノ頭も眺望

夕闇迫る蓮華岳・針ノ木岳(右奥)/rollover 朝焼けの剣岳

 

<尾根を周回>

 
  山小屋の朝は西隣りの立山・剣岳に朝日が当り、残雪とのコントラストが
映える。5時40分には出発し、直ぐに鳴沢岳に取り付く。朝もやも消え、北か
ら白馬岳、朝日岳などが連なって五竜岳、鹿島槍ケ岳など等特徴のある稜
線が聳える。 南にはこれから登る赤沢岳、スバリ岳、針ノ木岳等が連なり、
遠くには槍の尖峰も遠望できる。大パノラマに嘆息するのみだ..。

 ハイマツの緑も濃く、岩径が緩やかな稜線を描き、行く手に大きな赤沢岳
が現れる。眼下には黒部ダム湖、エメラルド色の湖面が山間にアクセントを
付けている。
 遠目には雄大な山も近づいてくると屹立した大岩、ジグザグの石径と難路
に取り付くことになる。ハイマツの脇を辿るにも力が入る。 山頂の標は2678
米、三角点も写す。 小屋から2時間強、ほぼ標準タイムだが、次の山頂の
スバリ岳は大きな山腹が見えるが、2時間強かかるそうだ。

 約200mほど鞍部へと下り、砂礫の径を上がる。地図では大沢小屋の真西だ、
痩せ尾根の東にはガレや雪渓がパックリと裾を引く。 頂上は鮮明に見えるが
勾配以上に足が重くなる。何度も休憩をして漸くとスバリ岳2752mに届いた。
予定よりも時間がかかり、2時間40分かかった。地図情報を越える大きな岩峰
で、背景には立山連峰、黒部ダム湖が晴天を演出してるかの様だ。
 早めの昼食だが、当方は体調不良で弁当も喉を通らない、水分を補給して
本命の針ノ木岳へと向う。

 岩径を下り、150mほど登り返し、夏山の目的地・針ノ木岳に届いた。直射
日光も強く、晴れ渡った山頂で集合写真に納まる。 南には槍や穂高が遠望
できて、言葉にならない光景だ。 向きが変わり東へ下ると、一時間ほどで
小屋に着いた。(13:05)峠にもなり、扇沢、船窪岳と蓮華岳の四差路だ。
 女性陣四名は更に蓮華岳へと暑い中を二時間弱でピストン、この日一番の
パワー発揮でした。
 針ノ木小屋は収容人数が100名だそうで、この日はほぼ満員、夕食も三回転
する。 相部屋は2畳程のフトンに3人が並ぶ、前日の新越山荘は一室貸切で
余裕があった。それでも疲れを取るには十分だ。 夕闇が迫るまでビール片手
にアルプスを観ながら寛ぐ人が大勢だった。 

 

 

赤沢岳

黒部湖

 

鳴沢岳の西隣りに立山・雄山や大汝山、御前沢雪渓(日本3氷河の一つ)は圧巻

鳴沢岳から南へ続く針ノ木岳の尾根、槍の尖峰も遠望

北の白馬から唐松、五竜、双耳峰の鹿島槍まで一望 (手前はスバリ岳、赤沢岳)

スバリ岳・岩峰の北面は圧巻

スバリ岳・眼下に黒部湖

針ノ木岳・南に烏帽子岳〜槍穂高を遠望

 

 

<雪渓を下る>

 
 最終日は雪渓を歩き、扇沢のバスターミナル口に下る予定で出発する。更に
松本から帰阪するので、ゆっくりも出来ない。 朝の食事に一番のりで、6時に
峠を下り始めた。ジグザグの脆い山腹を進み、雪渓の上端部に着く。アイゼン
を装着して、ゆっくりと歩を進め、慣れたらスピードも出る。
 下りの雪渓は後方から涼風が当り、何とも気持ちが良い。 夏でも溶けない
雪面には黒い雪肌や落石も散見できるが、約50分で山径になり、装備を外し
て谷の脇を下る。

 石ころ路は想定よりも悪路で、予定の4時間が気になる。やがて大沢小屋に
着きひと休みする。更に難路が続くが、舗装道路と三回ほど交差してトロリー
バスの道路脇に出た。立山・黒部の観光ルートになるが、ゲートを潜ると扇沢
駅に着いた。予定した時間に全行程を踏破、互いの健闘にハイタッチ。(9:50)
 タクシーで薬師の湯に向い、JR大糸線に乗って松本駅前から再び高速バス
で帰阪した。参加各位には事故や怪我もなく協力に感謝する次第です。(崎田)

  

 

針ノ木峠から槍を遠望

針ノ木小屋

扇沢・針ノ木自然遊歩道口に下山

扇沢バスターミナル駅

 

<概略図>

 

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