しろうまだけ

白 馬 岳

2009/9/20-21                                                       4人パーティー(崎田・記)

 大阪〜名神・中央道〜白馬村「ロッジ・木彫り小舎」に前泊
 白馬岳 2932m、小蓮華山 2769m、乗鞍岳 2436m

 白馬尻小屋、 村営頂上宿舎、 白馬山荘、 白馬大池山荘

 猿倉→白馬尻→葱平→白馬山荘(泊)→山頂→三国境→小蓮華山→白馬大池→乗鞍岳→栂池VC
<一日目>
 猿倉6:15出発(65分)白馬尻(30)雪渓下端(80)昼食30分・葱平(30)避難小屋(75)頂上宿舎・休憩30分
(25)白馬山荘13:25着 宿泊
<二日目>
山荘5:30出発・ご来光・白馬岳6:00発(45分)三国境(50)小蓮華山(50)船腰ノ頭・休憩10分(40)
大池山荘・休憩15分(55)乗鞍岳・昼食30分(55)天狗原(50)栂池登山口12:40着

 

大雪渓を上る

    

     絶大な人気の白馬岳は雪渓と尾根からの眺望が素晴らしく、予ねてから登りたい名山の一
    つで、今季は不順な天候で二度も断念しての登山になる。 幸い快晴に恵まれ、雪渓の路も
    無難に上る事ができ、山頂から見る360度の眺望は感銘深い光景だった。

     山頂でご来光を仰ぎ縦走路を北に進む。紅葉の始まった尾根や白い谷が一幅の絵画を見
    るようで、振り返ると片方が切れ込んだ白馬岳が雄大な稜線に溶け込んでいた。
     雷鳥坂を下るにつれて眼下には白馬大池が俯瞰できる。青く澄んだ湖面に峰が映り、這松
    と紅葉のスロープが借景になっている。天恵とも思える山行きになった。


 

<大雪渓>

 
 日本三大雪渓の一つに挙げられる路は夏が過ぎてやや短めの様子、クラッ、パリッ....
と音がした先では小規模の落石だった。昨年8月の崩落で入山禁止になり、9月には迂回
路が出来た。死者も出て高専の先生が未だに行方不明(捜索の札がある)という場所だ。

 雪渓の最下端でアイゼンを着けて上り始める。 前日は300人程が登ったと白馬尻小屋
で聞いたが、今日はそれ以上が見込まれると言う。 雪質は硬くも柔くもなし、軽アイゼン
で安全に歩ける。50分ほど上がると岩肌の路になり外した。

 前方にU字の稜線が見え、垂直に切れた天狗菱の岩壁が崩壊の跡を残している。迂回
路が細くなり、止まらずに通過して下さい、との札を見て進む。 岩室跡は腰を下ろせるが
雪渓の上端がクレパスみたいにえぐれている。 こじんまりした避難小屋も新たに建てられ、
広い路になる。昼食を摂って急な坂を登ると漸く村営頂上宿舎に着いた。

 

猿倉の登山口

雪渓を上がる

雪渓の下端

落石もある

雪渓脇の路を上がる (先に頂上)

雪渓の上端

新らしい避難小屋

岩室跡

崩落跡もある天狗菱

頂上宿舎からは杓子岳、鑓ケ岳が目の前にある

 

<白馬山荘〜山頂>

 
 日本で最初の山小屋は103周年だそうだ。小屋の上の斜面に松沢翁の記念碑がある。
午後一時過ぎ今日のゴールに到着、手続きをして部屋にザックを置く。8人一室の同宿に
なるが、一人一畳は確保できそうだ。

 早速に空身で100m上の山頂を目指す、石ころ径を登ると、東側に切れ込んだ白馬岳に
着いた。快晴の下、全方向が見える。直ぐ西にはうっすらと能登半島、南に視線を移すと
白山、その手前に青々くっきりと剱岳、白馬三山の杓子、鑓の先には槍、穂高が遠望でき
た。南東には富士山、北岳が薄いシルエットを浮かべ、八ヶ岳も見える。戸隠、妙高、火打
が直ぐ東に連なる。一片の雲もなくアルプスの頂点に立った感激で疲れも忘れた。

 山荘に戻りレストラン「スカイプラザ」で乾杯する。生・缶ビールにおでん、枝豆等も完備
下界の呑み屋と変わらない。 段々陽が傾き、下の峰峰は夜の褥みたいに雲がかかり、
雲海を俯瞰する事ができた。 赤い夕陽を見送り、夕食を摂って早めに休んだ。

   

 

白馬山荘受付舎 (富山・長野県境)

東に切れ込む白馬岳

小蓮華山方面の尾根

村営頂上宿舎と丸山 (背景には剱岳)

遥かな白山、雲の褥に剱岳

日の入り

 

<尾根縦走>

 
  早朝は5時からの食事に並んで早めに出発する。 ご来光は5:40頃で、記念碑の横で
遥拝できた。久しぶりに見る山頂からの朝日に好天が期待できる。再び白馬山頂に着いた
白っぽい山並みが続く、雪が少ないので旭日の照り返しは見れなかった。

 ざらざらした径を下ると長野・富山・新潟の三国境に出合う。雪倉岳、朝日岳への縦走路
を左に分れ小蓮華山へと向かう。 ザレた径が続き、緑と紅の北斜面が谷へと流れる。
 小蓮華山は山頂が崩壊して鉄剣が無くなったとあるが、三角点だけは認識できる。 辿っ
てきた径を見返す、白馬岳から吊尾根の鹿島槍ケ岳までが連なる大パノラマが一望できる。
何も言えない絶景だ!!

 

白馬岳〜杓子岳・鑓ケ岳〜鹿島槍ケ岳を遠望

ご来光

三国境

白馬岳を振り返る

小蓮華山 (2007年に一部が崩落した)

小蓮華山方面の北斜面を望む

 

<白馬大池>

 
 大池や栂池を朝立ちした逆路のハイカー達と交差し、船腰ノ頭付近では20名程が休ん
でいる。ロープが張られて立ち入り禁止の札、跨いでみると東側が崩壊し、陥没した跡に
小石が重なっている。岩に座って交互に記念撮影した。
 足下に栂池自然園の全容が俯瞰できるように近づいて来た。先月は登山を断念して散
策したので、隅々までの足取りが蘇る。

 雷鳥坂を北に下るとハイマツや草紅葉が広がり、先には池と小屋が見えてくる。所々に
紅葉や黄葉が緑の這松に交じり合う光景にカメラを向ける。白馬大池は青く透き通った水
をたたえ、背後の峰を逆さに映している。大自然の風景に皆なが嘆息する。

  

 

白馬大池を俯瞰

大池山荘

澄んだ白馬大池

 

<乗鞍岳〜栂池>

 
 池を回り込んで岩伝いに上がると乗鞍岳に着く。周囲は岩と這松だけの処でケルンが
標になっている。(三角点は別所) 日陰が欲しいが平らな所で昼食を摂る。白馬山荘の
夕食は小屋にしては豪華だったが、弁当も内容があり、汁も漏れないような容器だった。

 腹を満たしてくだり始めると、大岩が連続する急な下り坂になる。地図では150m程下
がって天狗原に至る。反対から登る人もあり、ルートを読みながら更に下る。小さな雪渓
も残っていて自然の配置に目を見張る。

 やがて湿原に入り散策する人と行き交う、時間に余裕がないので一路栂池園へと進む。
70分との標を見て足が軽くなり、下山時刻も予測できる。 ロッジの人に迎えにきてもらう
時間や帰阪するスケジュールが立った。山に抱かれた雲上の空間から現実に戻された。

 長い坂を下り、連休の中日で賑わう、栂池自然園ビジターセンター横の登山口に無事に
降りた。今回高嶺の花は終わっていたが、下から見上げる白馬連峰の尾根は今迄よりも
気高く思えた。
  

 

乗鞍岳(側には3m位のケルン)

天狗原へ急坂を下る

天狗原を俯瞰

栂池自然園から見上げる連峰

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