ちょうかいさん

鳥 海 山

2009/8/20                                                       4人パーティー(崎田・記)

 敦賀から新日本海フェリーで秋田港〜にかほ市鉾立〜県境の山形県遊佐町の大平山荘に前泊
 鳥海山 2236m、行者岳 2159m、伏拝岳 2130m、文殊岳 2005m

 鉾立→吹浦口分岐→御浜小屋→七五三掛→千蛇谷→大物忌神社→山頂→行者岳→七五掛→鉾立
 鉾立VC 7:20発(105分)御浜小屋(50)七五三掛(30)千蛇谷雪渓(90)大物忌神社・昼食40分
     〜(30)山頂・新山(55)外輪尾根(25)伏拝岳(65)七五三掛(130)鉾立VC 17:40着
 Σ10:20
   
   表示サイズ、[拡大レベル]を125%で迫力画像を参照!   参考地図 こちら

 

鉾立VCから遥かに望む山頂

鳥海山 [新山の一角]  (1801年の噴火で新たに出現したとある)rollover

    

      秋田駒ケ岳、月山も含めて仲間と一緒に東北の名山に登ることになった。 出羽富士とも
     呼ばれるこの山は、裾野の大きさや特異な山頂に興味津々だった。 資料を見ても分るが
     岩峰の頂は、噴火による崩落を一瞬だけ凍結したかの如く荒あらしい姿を残している。
 
      深くえぐれた渓谷や火口の崩落個所の雪渓など、雄大なスロープも見せる。 登山口から
     僅か9キロ弱だが、上りに5時間弱かかる山容だ。山頂の鳥海新山は火口の中に噴出した
     新たなピークで、大小の岩が重なり褶曲が層をなしている。 鋭い刃物でチョップしたような
     石や芸術的に見える岩もある。

      高嶺の花々が咲く中腹とは逆に、地球からのパワーが貰えるような感触を覚えた。
   

 

<御浜小屋まで>

 
 前日には鳥海山の裾野を獅子ケ原湿原へ向かった。田んぼが一面に広がり豊かな山
の恵みが稲を育んでいた。伏流水が湿原を成し、ブナの森を維持している。

 標高1000mにある大平山荘に泊り、朝食をいただいてから出発する。鉾立ビジターセン
ターに駐車、最終パーティーよろしく準備体操をして歩き始める。 程なく展望所が見えて
きた、朝の雲に覆われた山頂が遠望できる。あそこまで着けるのかと思える程、長いスロ
ープが一望できる。

 径はやがて石畳になる、靴より大き目の石がぎっしりと組み込まれていて危険は少ない。
何処まで続くのかと思っているとキスゲ、ギボウシ等の花々が沿道を飾っている。2時間
歩くと吹浦コースの分岐に至り、御浜小屋が見える。 その先には鳥海山頂も遠望できる
ようになり、光景が一変する。

 小屋の南側には池があり雪融け水をたたえている。天候は曇りだが適温で汗も少ない。
今日は50分歩き、10分休むペースで登ることにして、二度目の休憩を取った。

 

賽の河原(石ころ路)

吹浦コースと合流

御浜小屋

鳥海湖

 

 

<大物忌神社まで>

 
 御浜小屋を過ぎると坂になる、そこからは山頂が大きくなり、アップダウンする行程も
俯瞰できる。 やがて平らな七五三掛(しめかけ)に至り、休憩を取ってバナナを食べる。
山頂で泊った人が数人づつ下りてくるので、先の状況を教えてもらう。

 標高1800m付近には千蛇谷と外輪コースの分岐があり、谷ルートへと進む。 急坂に
は梯子もあり、カール状の谷が上まで続いている。外輪尾根と谷の雄大な地形が一望
できる。雪渓もあり、ロープを目印に渡る。

 岩路には鳥海アザミが咲き、チクリとする狭い所もある。日差しが強まり立ち止まると
下山する団体組からどうぞ先にと声がくる、こちらは小休止だからと応え、笑いが出る。
 山頂が圧倒的な大きさで迫ってきた、小片の岩を積み上げたような光景に驚かされる。
その基には大物忌神社(おおものいみじんじゃ)があり、泊れるそうだ。 草木は全くない
厳しい環境に建ち、昔は出羽国一ノ宮の格で昨年史跡になったとある。

 広場ではツアー客など大勢の人が三々五々休んでいる、子供達も登ってきてる。眼前
の岩峰を見上げながら昼食を摂る。 ペンキでマークした大岩を辿れば新山へ届きそう
だが何と荒々しい山頂かと感嘆する。

  

 

八丁坂からは山頂が見渡せる

七五三掛は平らな休憩所

谷と尾根の分岐点(左の谷コースへ降りた)

千蛇谷へ下る

旧火口と雪渓

外輪尾根にも雪渓

チョウカイアザミ rollover

大物忌神社(山頂の下)

 

<鳥海新山>

 
 腹ごしらえ後ルートを確かめるべく神社に訪ねると、南からでも西からでも印に従って辿
り、同じルートを降りたら良いとアドバイス、大きな岩径で難路になっている。南から空身で
上っているが、側にいた人は見えてる岩壁の先は急降下で、更なる峰があったので退却し
たと言う。地図を頼りに神社の西側に進み、荷物をデポして難路を登る事にした。

 団体さんが誇らしげに、南から上がり西に降りてきたと言う。 我等は外輪へ下る地点に
ザックを置き、赤茶けた岩径へ取り付く。 白のペンキ印を頼り、大岩を這い上がり、重なり
あった岩の洞窟を抜け、漸く山頂に届いた。
 周囲は岩の塊りが取り囲み、山頂を示す碑があるだけで別世界に踏み入ったみたいだ。
雲が多くて遠望は出来ない、条件が良ければ日本海も見えるはずだ。 記念写真を撮り元
のルートを降りた。

 

鳥海新山(岩には奉納書きも)rollover (3/4Party)

>

新山の一角 rollover (新山への難路)

 

 

<外輪尾根を下る>

 
 複式火山になっているので、新山から一度下り、外輪尾根へと上ることになる。 途中に
は1974年に爆発した痕跡があり、窪みは雪に覆われていた。

 尾根に上がると内輪の新山全体が俯瞰でき、地殻運動の結果をまざまざと見る事になる。
やや風が強くなり下る先はガスもかかってくる、ゆるいアップダウンを繰り返し右手下に登
ってきた谷や雪渓が見える。絶壁状の処もあるので、気をつけながら下る。

 やがて谷と尾根コースの分岐地点に戻り、周回したことになる。 七五三掛や八丁坂を過
ごし、御浜小屋が見えてくる。強風と雲が素早く走り、気圧も820hPa(海面更正なし)を示す。
大きな大きな山を歩き、上りの径を足早に下り、全員無事に鉾立の登山口に戻った。

 夕陽はないが、雲間には海に反射するほの赤い陽が見え、疲れを癒してくれた。


  

 

伏拝岳(河原宿への分岐)

五合目にある鉾立登山口

 

 

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