さんじょうがだけ ・ ぶながだけ

三重嶽・武奈ケ嶽

2008/9/6                                                           崎田信義(記)

 名神高速・京都東IC→湖西道路→国道477、367、303号→角川林道入る→石田川ダムサイト(駐車)
 三重嶽 974m、 武奈ケ嶽 865m、 赤岩山 740m

 ダムサイト→三重嶽登山口→三重嶽→水谷分岐→ワサ谷分岐→武奈ケ嶽→角川分岐→赤岩山→ダムサイト
 ダムサイト場駐車8:05発(60分)三重嶽登山口(115)P844(35)三重嶽45分昼食休憩(25)
  池(95)
ワサ谷分岐(30)武奈ケ嶽(40)角川分岐(10)赤岩山(45)ダムサイト16:25着 Σ8時間20分

 

 滋賀・福井県境には中央分水嶺となる連峰があり、マキノ・愛発越(アラチゴエ)から朽木・
三国岳まで80Kmに及ぶ尾根筋が整備され、昨年”高島トレイル”として認定された。

 今回は高島トレイル最高峰の三重嶽に上がり武奈ケ嶽までを縦走し、石田川ダムサイト
へ降りる行程を仲間と一緒に歩いた。予想外の急登急降下もあり、尾根路はブナの林が
つづき若狭湾と琵琶湖が見え隠れ、標高800mの池には小動物も住み、空に赤とんぼが
スーィスイ飛んでいた。 厳冬の雪に育てられたブナの幹はどれもへし曲がり、個性ある
姿は別世界だった。

ブナの大木

 

<三重嶽>

 交通の便が悪くマイカーでのアクセスになるが、二座を踏破するので、早朝に出発した。
幸い雨もなくダムサイトに7:55に着いた。準備を整えて一時間ほど石田川沿いの舗装
道を上ると登山口の標識がある。

 斜めに上がる細い径が急登を示している。 杉林の中を息使いも荒く足を進めると最初
のピーク592m付近に至って一服できる。<地図上では平均斜度18(tanθ≒140/430)>
 この先は更に高度をましてゆくが長い尾根径は鳥の声もなく、花もなくやや寂しい尾根
路がつづく。登山口から二時間ほど経ってピーク844mに至る、誰かが下げた標識があり
山頂が近づいた事が分った。

 ブナが多くなり平らな尾根から東、北へと径が分岐、三角点が三重嶽山頂を示す。高島
トレイルの標識と黄色のテープが縦走路を指している。開けた山頂からどんよりした山並
みが見えるが湖は伺えない。ブナの大木の下で昼食を摂り南下するルートを確認した。

 

登山口

P844(ブナ)

三重嶽山頂 (974m)

 

<ぶな林>

 径を西南に辿ると湾曲したブナや楓の林に変ってゆく。いくつも進路を取れるがテープ
のお蔭で迷うことなく歩ける。20分ほど下ると少しの水をたたえた池がありびっくりする。
中にはオタマジャクシが泳ぎ、縁に小さな蛇が動いている。深い山中で出くわす食物連
鎖、個体が生き延びるだけの原資に自然の掟をみた。

 植生は少なく、木々は雪の重さと流れる向きに伸張したように這いつくばっている。正
に分水嶺を語る風景だ。円を描いた枝や下太りした幹など見事なオブジェの中を進む。
ブナの木は保水力が高く水源林としての重要な役目を果たしているそうだ。

 やがて水谷分岐に至り、今日初めて10名のパーティーに出遭う。我等とは逆コースの
ようだが皆ハァーハァーと登り疲れの様子だ。ここからは武奈ケ嶽も遠望でき、山容から
ゆるい登りかなーと想定したが、いきなり100m位の下りが始まった。

 一旦下った径を徐々に上る、ブナの姿が変り背が高い、雪融けの早い場所は条件も
良いのだろうか。この時季特有のキノコ類がたくさん見れる、赤白黄色に混じってうす
紫色の微妙なものまである。

見事な湾曲 (楓とブナ)

わさ谷への分岐

武奈ケ嶽山頂 (865m)

赤岩山 (740m)

 

<武奈ケ嶽>

 ワサ谷橋の分岐を過ぎると琵琶湖や小浜方面の景色が一望できるようになる。曇天
で明瞭には見えないが、箱館山や竹生島などが浮かぶ。サルトリイバラの棘が足元を
邪魔し、ホトトギスが茎に花を広げ、ススキもえび色の穂先を揺らして秋を開いている。

 武奈ケ嶽山頂は通り過ぎても分らないような路側にあり、標識が建ち存在感を示す。
9時に登り始めてまもなく6時間経過、危険な径はないが長丁場になる。少休止とエネ
ル源を摂り最終コースへ向かう。

 程なく角川と水坂峠への分かれに至り、地図とコンパスで方角を確認、高島トレイル
縦走路と分かれてダムサイト方面へ下る。一旦下り上りきった所に標識があり赤岩山
に着いた。 今朝歩き始めに見た急坂の降り口を思い出した、この先は一気の下りが
待っている模様だ。沢からの水音も聞こえるが踏み跡は細く、緊張が高まる。
 やがて杉林の中に道路が見え、急降下を無事に降りた。<地図上では420mの降下
平均斜度23 (tanθ≒420/960)> 取り付きの上りよりも急坂だった。

 8時間強のロングトレイルを無事にこなし、近江・若狭の境を一巡できた。更なる続き
に興味が募るが、ここでは秋の始りが実感できた。

 

club-tanu club-tanu club-tanu 参考地図を見る * 総合目次頁へ戻る club-tanu club-tanu club-tanu