| 九月の長雨も中断したので、高千穂峰を東の天孫降臨コースから登った。 翌日は 霧島連山縦走にも出かけたが、強風とガスに遭い韓国岳から引き返す羽目になった。
 
 <高千穂峰>
 天上からイザナギノミコト(男神)とイザナミノミコト(女神)が現れ大和の国が誕生
 したと言われる。 古事記や日本書紀にもある天孫降臨の地は県北の高千穂町か
 霧島の高千穂峰か、今でも結論は出ていない。 ニニギノミコト(海幸彦、山幸彦の
 父でコノハナサクヤヒメの夫)が降臨した際に突き刺したと言われる「天の逆鉾」が
 今も山頂に建っている。 (出典:ぽかぽか宮崎キャンペーン誌/観光コンベンション協会)
 
 近世では1866年に坂本竜馬が妻おりょうと霧島を訪れ、逆鉾を見るために高千
 穂峰に登ったと言われてる。 またこれが日本の新婚旅行の始まりとか(鹿児島の
 牧園町には二人の湯治の碑までが建っている)、歴史的な謎やロマンに満ちた山
 でもある。
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        | 砂防ダムを渡り山に入る | 稜線に聳える岩 | 
    
        | <天孫降臨コース>
 宮崎県高原町の狭野神社から奥に皇子原(おうじばる)公園があり、彼岸花が咲
 き祭りも間近な様子だった。更に林道を4キロほど進むと広い駐車場があった。環
 境パトロールのボランティアの人が同じコースを登るというので、一緒に歩き始めた。
 
 すぐ下の砂防ダムには土砂が堆積し、その上を横切り森林へと入って行く。高千
 穂峰へは皇子原から登るコースもあるが、時間が余計にかかると言う。程なくその
 合流地点に達したが、木に囲まれて眺望は出来ない。ここらは急な坂になり、所々
 深く裂けた黒い色の地肌がのぞいている。
 
 60分位で第二展望所に着き、南東方向に眺望ができる。ただ雲が連続していて
 先を暗示してる。1200メートル地点付近では、晴天ならば新燃岳(しんもえだけ)
 や韓国岳(からくにだけ)と山頂も眺望できるそうだ。
 更に灌木の狭い路をよじ登ると、御池から登る九州自然歩道に出合い、山頂付
 近も見える稜線に達した。
 
 
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        | ガスの切れ間、山頂直下の”お鉢” | 
    
        | <強風>
 尾根路は草木とゴロゴロ石が続くが、木の階段もあり、歩きやすい。 昔は大変
 だったとか、西の高千穂河原のコースは人も多いが、東コースも手入れして時間も
 早くなったと言う。
 
 尾根路に出ると強風になり、帽子を深めにかぶり山頂を目指す。 正面に大きな
 岩が立ちはだかり、この山の凄みを演出している。
 強風に飛ばされる雲が足元を抜け、次々に大きな雲が頭上を西に流れる。やが
 て山頂に到達、山小屋は閉鎖されている。 頂の鳥居の周りには30人程が腰を
 降ろし昼食している、殆どが高千穂河原から登った人達だった。
 
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        | 山頂に建つ国旗掲揚塔、天の逆鉾(アマノサカホコ) | 
    
        | <天の逆鉾>
 360度ぐるりと見渡せるが風と雲が遮り残念な眺望になった。 時たま雲が去り
 西方に大きな茶けた”お鉢”が見える、大自然が創った噴火口だ。 先には桜島も
 見えるが一瞬だけ、雲が邪魔してしまう。
 
 山頂には鳥居と天の逆鉾があり周りを鎖で囲ってある。140cm程の三叉の剣で
 天に向って立っている。山岳信仰をうかがわせるが、神話伝説にまみれてしまった
 感じもする。
 
 昼食も含め60分留まったが風と雲の流れは変らない、往路を辿り下山した。小林
 市を経由し、えびの高原に向かい国民宿舎でお湯に浸かった。
 
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        | 西側から遠望できる”お鉢” | 東側の御池から遠望 |