とかちだけ

十勝岳

2010/8/27                                                       3人パーティー(崎田・記)

 旭川市→美瑛町→白金温泉(前泊)→望岳台駐車場
 十勝岳 2077m

 駐車場→避難小屋→昭和噴火口→急坂・前十勝分岐→山頂 (下りは逆)

 十勝岳避難小屋
 8:00発(140分)昭和火口淵(80)山頂・昼食30分(155)駐車場14:45着 Σ6:45

 

   
  活火山の十勝岳、資料を見ても全行程が火山礫や岩路だ。前日の旭岳とは対照的な山歩
 きとなる。 荒涼とした砂漠のような尾根、噴火の跡が残る泥岩の急坂など厳しい環境を見せ
 る山稜だった。

  時折ガスがかかり、行く手が危うい場所もあったが、素直に引くので周囲の山並も眺望で
 きる。山頂は切り立った岩が重なり、断崖が東に下っている。草木は一切見えず、美瑛岳へ
 と続く平らな路が俯瞰できる。 その先には美瑛富士や遥かにトムラウシ山などが遠望でき、
 悠々たる十勝連峰を満喫できた。

 
 

十勝岳の遠望

 

<石ころ路>

 麓の白金温泉に前泊し、朝食もたっぷり摂っての出発となる。 (山小屋では望めない
贅沢) 天候は変りやすいが雨は心配なし、望岳台の下930mの駐車場に10分で着いた。
既に数台が着き歩き初めている様子、準備体操を終えて広い裾野に向かう。

 望岳台の石碑辺りからは大きな石ころ路で歩きにくい。 一時間余で避難小屋に至る。
前後して一人で上る伯父さんと会話、一昨日も来たが小雨とガスばかり、今日はリベン
ジするそうだ。

 小屋の側から鞍部を過ごし、大きな岩尾根へと上りが続く。団体さんも相前後しながら
角ばった岩や赤黒の火山礫の路を登る。休憩の間隔も短くなり、木陰もなく、ややうんざ
りする単調な上りだ。

 

望岳台から火口淵へ着く

火口淵の広い路、山頂を目指す

 

<裸尾根>

 やがて昭和火口と呼ばれる大きな火口の淵へ届く、黒い火山礫が幅10m位の尾根筋を形
成している。行く手の左側がお釜の底(スリバチ火口)で昭和37年(1962)には大噴火し、1988〜
89年にも繰り返し噴火したとある。

 直径が900mほどの火口の周りを10分ほど進むと淵から外れて急坂となる。 見上げると左
に切れた山頂が望める。火口の淵から更に300m程登る必要があり、直登になる最後の難路
に向かう。

 粘土が固まったような裸尾根を進むと、赤茶けた岩がむき出し、ぼろぼろ崩れる場所もある。
行く手の左は大きなガレ谷が並行、万年雪の上には砂が被り荒れた山肌を晒している。ペンキ
を塗った岩を目標にジグザグに登ると左に急転する前十勝岳の分岐点で、入山禁止の標がる。
山頂へ続く最後の上りには迷わないようロープが張られている。

 

お釜 (スリバチ火口)

山頂下からのガレ場 (歩行不能)

美瑛岳方面の荒涼たる尾根 (山頂から円い尾根まで約600m)

 

 

<山頂>

 火山礫だらけの径がなくなり、岩稜の頂上に着いた。 天辺は大岩が幾重にも積み重なり、
数百万年の時空を今に切り出しているようだ。 風雪にも動じずここに在る、腰掛るのも気が
引ける感じだ。

 東は直下に岩がむき出し、ガレ場の先にはまた砂礫が続く、美瑛岳への径も荒涼として
いて彼方にトムラウシ山が見える。 反対の南西側には上ホロカメットク山、富良野岳など
を遠望、北海道の屋根に登った感じだ。

 同じ難路を下ると件の伯父さんが、ザックをデポして山頂直下を上がってきた。 途中でガ
スに遭い休んでいた由、我々が火口淵に降りる頃またもや山頂が隠れてしまい、彼の挑戦
は雲間に吸い込まれた。

 避難小屋辺りで、登る時には目に入らなかった珍しい花を見つけ、カメラに収めた。往復
7時間弱の行程に樹木は一本もなく、数々の噴火痕が火山の息づかいを現していた。

 

火口壁から美瑛岳、トムラウシ山を遠望 (山頂から)

山頂 2077m

山頂 (保冷剤入りのタイも効果が薄れる)

雌阿寒金梅 (1200m付近)

白玉の木 (1000m付近)

 

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