ちょうがたけ

蝶ケ岳

2011/8/6-8                                                       11人パーティー(崎田・記)

 大阪梅田2交差点〜名神・東海北陸道〜高山〜R158〜平湯BusTerminal〜上高地BT
 蝶ケ岳・三角点 2664m、 蝶ケ岳・最高点 2677m

 横尾山荘、蝶ケ岳ヒュッテ (他にもあり)

 河童橋〜明神橋〜徳沢〜横尾()〜槍見台〜横尾分岐〜蝶槍〜蝶ケ岳〜
 蝶ケ岳ヒュッテ(
)〜まめうちだいら〜常念岳登山口〜三股駐車場
 上高地BT 13:20出発(220分)横尾山荘6:05発(40)槍見台(170)横尾分岐
  〜(40)蝶槍(80)蝶ケ岳ヒュッテ6:30発(130)まめうちだいら(100)駐車場 10:20着 Σ13:00
   

 

朝日に映える穂高連峰(前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、大キレット) 2011/8/8am5:12

    

     蝶ケ岳は百名山、二百名山にも列挙されてはいないが、昆虫の名を冠する名山は思い出せない。 5〜6月頃
   山腹に顕われる雪形が胡蝶に見え、優美な名前が付いたそうだ。雪融けの形を見て種蒔きや田植え時期を判断
   し、暮らしにも馴染んできた。 北隣りの常念岳も同様(常念坊の雪形)で、共に安曇野の原風景になっている。

     二つの台風が近づき天候には悩まされ、上高地バスターミナルからは雨も本降りとなる。 幸い翌朝は曇り空、
   尾根筋へ上がり、梓川を挟んで穂高や槍の山容が見えると、汗も吹き飛び絶景に感嘆する。 雲や陽の光で刻々
   と変化する様は、絵にも描けないほど見事だった。

 

<横尾から蝶尾根>

 
 前泊した横尾山荘は登山客で賑わいテント場も埋まり、3年前に改築されて二段ベッド
式の快適な小屋になった。 早朝5:30に起き、食事もたっぷり摂って出発する。三々五々
槍や穂高方面へとパーティーが散ってゆく。

 山荘の隣りから蝶ケ岳への径が続いている。上に重い雲があるが、降雨の心配はなし。
前日の雨でぬかるみを案じたが、急坂なので心配は吹き飛んだ。程なく槍見台と言う所へ
着くと、北の方向に槍ケ岳の鋭峰が見える。時々雲が邪魔をするが、威容は存在感がある。

登る人は少なく、二時間も経つと、蝶ケ岳から下山してくる人達に出会う。徳沢から上が
って、横尾へ下るコースみたいだが、前日の雨には泣いた事だろう。 突然上空でヘリの
音が耳に入り、救助ではないだろうと案じたが、夕方のTVは穂高で祖父と孫が遭難して
運ばれたと報じていた。(落石に遭って亡くなった)

 登りだけのきつい径、50分進んで10分休憩のペースでひたすら上がる。やがて樹林帯が
切れて、2550m付近からはハイマツと礫の径になる。 尾根が近い事が判り、テンションも
高まる。常念岳から蝶ケ岳へと続く横尾分岐に出合い、荷物をデポして北の蝶槍へと進む。
 途中には蝶ケ岳三角点2664mがあり、記念写真をパチリ。 ガスが閉ざして眺望はイマ
イチ、槍ケ岳も常念岳も見えない。蝶槍は大岩が重なり、鋭鋒に映る。 ここで折り返して、
横尾分岐で早めの昼食とする。

 

横尾から出発

槍見台から槍ケ岳遠望

蝶槍 2651m

横尾分岐 (蝶尾根との合流地点)

蝶ケ岳最高点 2677m(TSさん提供)

8月8日の旭日

 

<槍・穂高連峰>

 
 三つくらいのコブを越えると避雷針のポールが見え、その傍には蝶ケ岳ヒュッテもある。
方位盤には全方向に山名が刻んである、しかし北の槍ヶ岳は依然として雲に隠れている。
 昼前に着きヒュッテの受付も済ませる。時折小雨やガスが流れ、天候も悪いので大滝山
へのピストンを中止し、最高点2667mへ進んで集合写真に納まる。近くにはお花畑もあり、
フウロ等の高嶺の花が咲いている。

 余裕たっぷりのスケジュールが生れ、談話室でビールの宴が始まった。前夜の山荘より
1300mほど上だが値段は同じだった。 相部屋は二段式だが幅広のフトンに枕が三つあり、
皆がウハーッと驚く。 環境も悪いので、同じような屋根裏部屋に移してもらい、一人づつ
ゆっくりと休めた。

 夕方には雲が切れ、西方に穂高連峰が見え始めた。南に目を移せば焼岳、乗鞍岳も..。
真西にある、穂高は手が届きそう、淡青色の裾野から薄日に映える天辺を初めて眺めた。
西穂、前穂、奥穂、涸沢、北穂から大キレット辺りまで一大パノラマが広がり、何度も雄叫
びが挙がる。槍ヶ岳は厚い雲のなかで、明日に期待を膨らませた。 
 蝶ケ岳ヒュッテは絶好の位置に在り、直線では真西7Kmに奥穂高岳が、槍ヶ岳も北西に
9Km少しだ。 なんと贅沢な眺めか!皆でため息をついた。

  

 

焼岳から西穂独標〜穂高連峰〜大キレット〜南岳 2011/8/7pm14:43

蝶ケ岳ヒュッテからの眺望; 屏風ノ頭(手前)と奥穂、涸沢、北穂〜大キレット〜南岳

 

<三股へ下山>

 
 朝焼けと共に槍・穂高が現れ待望の光景にまた雄叫びが挙がる。 前日は朝方にしか望
めなかった槍ヶ岳がそこに在る。 朝日に映える鋭鋒、山小屋も見れる、いつ見ても素晴ら
しい山容だ。 穂高から続く大キレット、南岳、鋭い中岳、大喰岳、槍ケ岳と記憶が消えな
ないように皆で声を出して確かめる。
 隣りから眺める連峰は大きな雪渓や険しい岩壁も神々しく映る。山腹の緑が雲の流れで
細切れに現れる。ダイナミックな光景、ここに滞留しても描けないだろう。

 現実に戻り、後ろ髪を引かれる思いで下山を始めた。豆内平までは難路がつづく、木の根
っ子と岩径が2時間ほど続いた。”力水”の水場では汗を拭き、ボトルに水を詰める。常念岳
への登山口を過ごし、三股の駐車場で迎えのマイクロバスに乗り、西から東にアルプス横断
が成った。”四季の郷”温泉で汗を流し、出発前に断念したKさんの厚意に応えて乾杯した。

 曇り雨予報のなかを出発、上高地では雨に見舞われた。大袈裟に言えば最後まで諦めな
かった事で、至宝の光景を目に焼きつけた。

 

槍から西穂までの大パノラマ 2011/8/8am4:53

槍ケ岳 (Zoom up) 2011/8/8am6:15

まめうちだいら

四季の郷・蝶ケ岳温泉

 

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