うつぎだけ

空 木 岳

2012/8/5〜6                                                         11人パーティー(崎田記)

 長野県大桑村あてら荘(前泊)→林道・管理道→伊奈川ダム上・駐車場
 空木岳 2864m、 池山 1774m

 木曽殿山荘、 駒峰ヒュッテ

 登山口→金沢土場→兎平→見晴台→木曽殿山荘→山頂→駒石→池山分岐→スキー場下
 駐車場8時10発(130分)兎平(80)北沢・昼食40分(160)見晴台(90)木曽殿山荘16:30着
 6時発(130)山頂(60)駒石(120)昼食30分-大地獄(70)池山分岐(110)駐車場14:45着 
Σ17時間10分
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 日本アルプスの中で花木の名を冠する唯一の百名山で、伊那谷から望むとウツギの木
    に似てるそうだ。木曽駒ケ岳から越百山へと中央アルプスの縦走路にも位置している。

     夏の団体登山で仲間10名と挑んだ。西の木曽路から分け入りアルプスの主脈を越えて
    伊那側に下るルートだが、三年連続で横断路を踏破することになった。取り付きも長いの  
    で前泊し、登山口までの20キロ強をマイクロバスで進んだ。

     上りは晴れ曇り、急登や長い山径をひたすら登ると、小屋の手前からはポツリポツリの
    雨にも遭う。 下りは生憎の小雨での出発、ここもひたすら降りるだけ、途中から雨も止ん
    だが行程17時間余の山越えになった。 因みに出発点〜到達点の高低差は上り1770m、
    下り1920mで、富士山の中腹までを往復するに相等、何とも大きな山塊だった。

小雨の山頂

 

<北沢からの上り>

 前泊の宿から伊奈川ダムサイトまでマイクロバスで進む。途中からは細い林道で交差するの
も難儀な崖道だ。再奥のケサ沢からは侵入できないので、傍に駐車場がある。 既に標高は
1100mとあり、今朝沢橋を渡ると左右に分岐、越百コスモ山へ上る径と分かれて兎平を目指す。

 平坦な作業道を進むと舗装道をよぎる渡渉箇所に合い休憩をとる。 緑と涼風が気持ち良い。
金沢土場は倉本駅へ下る分岐点だ、更に舗装道を進んで標準ペースの2時間余で兎平に着く。
そこからが樹林帯の中の登山ルートで、いきなりの急登が始まる。 ”八丁のぞき”からは御嶽
山の裾野が遠望される、この先北沢まで40分との標がある。

 高度を上げたのに100mほど下り北沢に至る。 吊橋の袂を下りて流れの傍で早めの昼食を
摂る。素足で砂利を踏み涼も取る。 地図を見るとこの先のP2273までは600mもの登りだ、少
なくても2時間弱も掛かる事になる。
 すぐにジグザグ径や直登の繰り返しで脚も重くなり、上がっても、上がっても空が見えない。
先頭と殿の差が開き、休憩する折に大声を掛けての点呼になる。七合目”仙人の泉”付近で
美味しい水を汲み、一団となった。兎平と木曽殿山荘の中間点でどちらにも2時間とある。

 更に八合目辺りへ進む頃から雲が厚くなる。空木岳の眺めが良い所らしいが、雲間に一瞬
だけ薄い山容が見えた。針葉樹林帯の中を登ると”木曽義仲の力水”場に着く。山荘から数
人が水汲みに降りて来ている。 明日は途中まで、水場が無いので2リッターほどを詰める。
山荘まであと10分弱とあり、小雨の中を最後の上りに向う。

 先頭組は4時半頃、次が20分遅れ、60分遅れで出発点から1300m上がり、8時間半程
かかった。小雨にも遇ったり、虫に刺されたり、直登が続いたり厳しい登りだったが全員が
無事に山荘へ到着した。

 

登山口

道路に渡渉個所

金沢土場(倉本駅への分岐)

うさぎ平(この先から樹林帯)

北沢のつり橋

仙人の泉・七合目

濡れた山荘

見晴らし場・八合目

木曽義仲の力水/rollover 山荘

 

<尾根筋>

 ハイシーズンとなり木曽殿山荘はほぼ満員、5月に予約しておいたので、ザック置きの部屋
は専用、寝場所も一団でまとまった。定員は100名とか、一枚のマットレスに二人で横になる。
熟睡は叶わず何度も寝返り、うつらうつらで朝を迎えた。
 それぞれのパーティーが長いコースに進むので、5時からの朝食は有難い。ただ小雨の中
を出発することになった。皆が雨具を着けて6時前に出発する。

 山荘は縦走路の鞍部にあり、東には駒ヶ根市が一望できる。小屋の前から山頂を目指して
上がると砂礫の混じった径はやがて岩径となり、濡れた細い径を用心深く進む。前方にある
はずの山頂は見えず、大岩を巻きながらの前進だ。 やがて第一ピークの赤いペンキがあり、
更に梯子や鎖場が続く。雨で滑りそうな岩に僅かな裂け目、何とか靴を掛けてよじ登る。
 漸く尾根筋の向こうに山頂が現れ、心なしか雨も少なくなった。 出発して2時間、予定より
遅れて頂上に届いた。硬い岩盤の上に屹立する岩、三角点、標が2864mのポイントだった。

 

第一ピークの先に薄い山頂 (TSさん提供)

岩峰の山頂と山稜 (TSさん提供)

 

 

駒石

振り向けば遙かな山頂

池山分岐点

 

 

<池山尾根の下り>

 集合写真を撮り東に見えるヒュッテ方面に下山を始める。砂路の長いスロープが望め、大岩
もチラホラ俯瞰できる。小雨も止み荒れた路を一気に進むと、小屋の前に出る。夏場は管理人
もいて、ビールもあるようだ。

 空木平への分岐を左に駒石方面へと進む。 雨も時々落ちてくる、やがて10メートル位の
大きな花崗岩?の元へ着いた。岩が重なり、絶妙に乗っかった岩群は圧巻、しばし休憩する。

 ハイマツ、ダケカンバ等の曲り木を過ごすと空木平からの径と合流する。暫らくは緩い下り
だが、木道や階段などが連続する”小地獄”の難路に至る。 断崖には注意書きの標もあって
一休み、その先からは痩せ尾根づたいの”大地獄”が続く。下りルートの最難所で、新しい鎖
も取り付けられているが逆に上る人もいて、全員がP2282を越えるには時間が掛かった。

 やがて笹径になり、足も速くなる。標高2000だから未だ千メートルも下る必要がある。 下山
時刻も気になり池山分岐点に午後1時頃に到着した。(待機バスの待合せは2時半)この先は
下見をしているので、何とか間に合いそうだ。
 短縮路を下りると林道終点に着く、東屋と広い駐車場があるが、途中の路が崩落して今は使
えない。更に舗装林道を横断してスキー場脇へと到達、この日は標高差470m上がり、1920m
下った計算になり、登り始めて山頂を越え、9時間弱で下山した。

 前日に木曽路を出発して中央アルプスを横断、伊那谷へと全員が無事に完踏(敢闘)できた。

 

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