からくにだけ    ししこだけ        しんもえだけ    なかだけ

韓国岳〜獅子戸岳〜新燃岳〜中岳

(霧島連山縦走)

2009/3/17                                                           崎田信義

 宮崎自動車道・小林ICから県道1号線、えびの高原の駐車場
 韓国岳1700m 獅子戸岳1429m 新燃岳1421m 中岳1332m (地図:昭文社発行「霧島・開聞岳」)

 駐車場→韓国岳→獅子戸岳→新湯林道分岐→新燃岳→中岳→高千穂河原 (Taxi〜えびの高原)
 駐車場9:00発(55分)五合目(35)韓国岳(95)獅子戸岳(15)新湯林道分岐(20)〜
  
新燃岳火口縁(20)新燃岳・昼食30分(30)中岳(60)高千穂河原15:00着 約12Km

 

 冬の霧島連山は宮崎市からもクリアーに見え、遥かな山並みを見ながら通学が出来た。昨今
は黄砂も吹き、麓からもすっきり見えない時があると言う。 漸く連山を縦走する機会に恵まれ、
白い噴気を上げる火山の胎動に力をもらい、浅い春陽の山々を歩く事ができた。

高千穂峰 (新燃岳方面からの眺望)

 

<韓国岳>

 二年前に縦走に向かったが天候悪化、ガスと強風の中を山頂で30分待機して断念
した。今回は好天を選び出発する。
 駐車場の端に登山口の標識があり、ミヤマキリシマの新芽を見遣り硫黄山を見下ろ
す辺りから岩路が始まる。 来るたびに径がえぐられ、荒々しい岩が出現してきた。
えびの高原が一望できる五合目で一休み、春霞なのか遠望はイマイチ、桜島も見えな
い。

 山頂に三角点、標識はあるが尖がりは無い。火口をとりまく黒い溶岩の塊りが重なり、
数万年単位の変動を感じることができる。少し東に進むと霧島連山が一望できる。
 縦走路の先には獅子戸岳、新燃岳がつらなり一番先には高千穂峰がある。その姿
は見る処によりシンメトリックになったり、片方が盛り上がったりして見え、秀麗な山容
にはため息がでる。

 

えびの高原を俯瞰 (携帯で撮影)

案内板の先に高千穂峰

韓国岳火口縁に光る霜柱

韓国岳火口底

韓国岳△点

大浪池を俯瞰

 

<獅子戸岳>

 韓国岳を南東に廻った処から急激な下りが始まる。小砂利や礫などを滑るように
足を運ぶと、土だけの坂になり尻もちをつかぬように慎重に下る。所々ぬかるんだ
痩せた処もあるが、なだらかな歩きやすい径になり韓国山頂から400mほど下る。

 潅木やミヤマキリシマの低木も現れる、程なく大幡山・夷守岳と新湯方面への四
叉路に至る。丸っこい容の獅子戸岳が大きく迫り、再び上りが始まる。
 噴火で盛り上がったと思われる頂は素通りしても分らない程で、標識がポイントを
示している。

 

新湯〜大幡山への分岐

獅子戸岳の標

獅子戸岳から韓国岳を振り返る

新燃岳火口 (携帯で撮影)

新燃岳火口

新燃岳の標

 

<新燃岳>

 縦走路を少し下ると次の大きな火山型の新燃岳が迫ってくる。今回のハイライト
の山頂からは白煙がたち、上るほどに火口縁を辿るように進む。この山は昭和34
年に大きな噴火があり、新聞記事などの記憶がある。
 右手にお釜の中を見ながら進む、ジェットエンジンの騒音に似た音が耳に入る。
轟音を立てる噴気、地下の莫大なエネルギーが昇華する様は感動ものだ。

 山頂の標がある陽だまり付近で昼食にする。南に高千穂峰を北に韓国岳を望み、
緑の少ない荒涼とした景色が連山の雄大さを印象づける。朝もやでくっきり見えな
かった高千穂峰も赤茶けた山肌や白い噴気が見える。
 足の速い人は先へ進み、火口付近は烏とトンビと自分だけになる。頭上でトンビ
が輪を描き低空からまた昇る。 明らかに弁当か何かを狙っている様子、思わず腰
を上げて対峙する。

 

新燃岳の縁は周回出来ない

新燃岳から木道を下る

高千穂峰と御鉢

高千穂峰と馬の背

 

<中岳〜高千穂河原>

 長い木道を下り中岳へ着く。それと分る標識のみで、古い火山になるのか高低差
は少なく丘の感じだ。 高千穂峰のお鉢も明瞭に見れるように近づき、急坂を100m
程降りる。小砂利だけの路からツツジなどの植生が広がる路に変る。

 自然観察路を経てビジターセンター横に出る。 かっては霧島神宮があったと云う
高千穂河原、圧倒的な高千穂峰を仰ぎ今回の行程を終えた。 次はミヤマキリシマ
等が満開の時季に縦走したい。

 

中岳の標(背景は新燃岳、遠くに韓国岳)

秀麗な山容 (携帯で撮影)

高千穂峰(中岳下からの眺望)

高千穂河原

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